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理由で解く 柔道整復師

QJ33A093 生理学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問93
問題
赤血球の働きで誤っているのはどれか。
選択肢
1 pHの緩衝
2 酸素の運搬
3 血小板の凝集
4 二酸化炭素の運搬
解答
正解3(血小板の凝集)
解説

凝集は血小板の働きであり、赤血球の働きではない。したがって3が誤りで、これが正答となる。

赤血球の仕事は大きく3つある。第一に、ヘモグロビンのヘム鉄に酸素を結合させて末梢へ運ぶこと。第二に二酸化炭素の運搬で、赤血球内の炭酸脱水酵素がCO2と水から炭酸を作り、その大部分は重炭酸イオンとして血漿へ移り(塩化物シフト)、一部はヘモグロビンと結合したカルバミノ化合物として運ばれる。第三にpHの緩衝で、ヘモグロビン緩衝系と重炭酸系が血液のpHを7.4付近に保つ。一方、血管が傷ついたときにコラーゲンへ粘着し、互いに集まって一次止血栓を作るのは血小板の役割である。「赤血球=運搬と緩衝、血小板=止血、白血球=生体防御」と役割で線を引いておけば、血球の機能を問う問題は安定して取れる。

✓ 3. これが誤り(正答)
血小板の凝集
凝集は血小板の機能である。血管損傷部で粘着し、放出反応を経て互いに凝集して一次止血栓を作る。その後、凝固因子が働いてフィブリンによる二次止血へ進む。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
pHの緩衝
ヘモグロビンは血液中の重要な緩衝物質であり、赤血球内の炭酸脱水酵素が生み出す重炭酸イオンとともに血液のpHを一定に保つ。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
酸素の運搬
ヘモグロビンのヘム鉄に酸素が結合する。末梢では酸素分圧が低いため酸素が離れていき、さらにpHの低下と二酸化炭素の増加が酸素解離曲線を右方へ移動させて、酸素をいっそう放しやすくする(ボーア効果)。なお体温の上昇や2,3-DPGの増加も右方移動をもたらすが、これらはボーア効果とは別の因子である。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
二酸化炭素の運搬
大半は炭酸脱水酵素の働きで生じた重炭酸イオンとして、残りはカルバミノヘモグロビンや血漿への溶解の形で肺まで運ばれる。
ポイント
  • 赤血球の働きは酸素の運搬・二酸化炭素の運搬・pHの緩衝の3つ。止血には関与しない。
  • 赤血球内の炭酸脱水酵素が二酸化炭素の運搬とpH緩衝の両方を支えている。
  • 酸素解離曲線を右方移動させる因子は、pHの低下・二酸化炭素分圧の上昇・体温の上昇・2,3-DPGの増加。このうちボーア効果と呼ぶのはpH低下とPCO2上昇による分だけで、体温や2,3-DPGは別の因子である。
  • 止血は血小板(一次止血)→凝固因子によるフィブリン形成(二次止血)の順に進む。
  • 成熟赤血球は核もミトコンドリアももたず、解糖系だけでエネルギーを得る。寿命は約120日で脾臓で処理される。
  • 血球の問題は「誰の仕事か」を最初に決めてから選択肢を読むと、引っかかりにくくなる。
比較表
血球主な働き特徴
赤血球酸素・二酸化炭素の運搬、pHの緩衝無核、寿命約120日
白血球生体防御(貪食・免疫)好中球が最多、リンパ球が免疫の中心
血小板粘着・放出・凝集による一次止血巨核球の細胞質の断片、無核
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