学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ33A059

理由で解く 柔道整復師

QJ33A059 解剖学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問59
問題
正中神経が支配するのはどれか。
選択肢
1 円回内筋
2 腕橈骨筋
3 尺側手根屈筋
4 長母指外転筋
解答
正解1(円回内筋)
解説

前腕屈筋群の入口にある円回内筋は正中神経の支配で、正解は 1 である。

前腕の筋の神経支配は、大きく「屈筋側=正中神経と尺骨神経」「伸筋側=橈骨神経」で分かれる。正中神経は前腕屈筋群の大部分(円回内筋、橈側手根屈筋、長掌筋、浅指屈筋、および前骨間神経を介して深指屈筋の橈側半・長母指屈筋・方形回内筋)を支配する。屈筋側で例外となるのが尺骨神経支配の尺側手根屈筋と深指屈筋の尺側半で、これが「尺側の2つだけ尺骨神経」という覚え方になる。一方、橈骨神経は上腕三頭筋・腕橈骨筋・長短橈側手根伸筋を支配したあと、深枝(後骨間神経)となって回外筋を貫き、指伸筋・尺側手根伸筋・長母指外転筋・母指伸筋群などの伸筋を支配する。円回内筋は正中神経が2頭の間を通り抜ける場所でもあり、ここでの絞扼が円回内筋症候群として知られる。

✓ 1. 正しい
円回内筋
円回内筋は上腕骨内側上顆と尺骨鉤状突起から起こり、橈骨中央外側面に停止して前腕を回内する。支配は正中神経(C6・C7)。正中神経は円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間を通って前腕深部に入るため、この筋の緊張が続くと正中神経が絞扼され、前腕痛と母指〜環指橈側のしびれを生じることがある。
✗ 2. 誤り
腕橈骨筋
腕橈骨筋は橈骨神経支配である。上腕骨外側縁から橈骨茎状突起に至り、肘を屈曲させる筋だが「屈筋なのに橈骨神経」という例外として問われやすい。伸筋側(外側)にあることから神経を判断できる。
✗ 3. 誤り
尺側手根屈筋
尺側手根屈筋は尺骨神経支配である。前腕屈筋群のうち尺骨神経が支配するのはこの筋と深指屈筋の尺側半(環指・小指)だけで、残りは正中神経が担当する。
✗ 4. 誤り
長母指外転筋
長母指外転筋は橈骨神経深枝(後骨間神経)の支配である。短母指伸筋とともに手関節橈側で腱鞘を通り、この部の炎症がドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)にあたる。
ポイント
  • 前腕屈筋群は原則正中神経支配。例外は尺側手根屈筋と深指屈筋の尺側半(尺骨神経)。
  • 前腕伸筋群はすべて橈骨神経支配。腕橈骨筋は「屈曲させるのに橈骨神経」という定番の例外。
  • 正中神経の前骨間神経は長母指屈筋・深指屈筋橈側半・方形回内筋を支配する(感覚枝をもたない)。
  • 回内筋は円回内筋(正中神経)と方形回内筋(前骨間神経)の2つ、回外は回外筋(後骨間神経)と上腕二頭筋(筋皮神経)。
  • しびれの分布を訴える患者では、母指〜環指橈側なら正中神経、環指尺側〜小指なら尺骨神経と、支配域から絞り込む。
比較表
支配神経主な作用
円回内筋正中神経前腕回内、肘屈曲の補助
橈側手根屈筋・長掌筋・浅指屈筋正中神経手関節掌屈、手指屈曲
尺側手根屈筋・深指屈筋(尺側半)尺骨神経手関節掌屈+尺屈、環小指の屈曲
腕橈骨筋橈骨神経肘関節屈曲
長母指外転筋・短母指伸筋橈骨神経深枝(後骨間神経)母指の外転・伸展
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