学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §30 下腿三頭筋肉ばなれの診察 / QJ33A035
理由で解く 柔道整復師
「誤っているのはどれか」を問う設問です。マットレステストはアキレス腱の連続性を調べる検査で、腱が切れていない下腿三頭筋の肉離れでは陰性になります。
下腿三頭筋の肉離れは、腓腹筋内側頭の筋腱移行部に起こるものが代表で、ダッシュや踏み込みの瞬間に「ふくらはぎを蹴られた」と感じる訴えが典型です。損傷しているのは筋線維であって踵骨腱(アキレス腱)の連続性は保たれているため、腱の連続性を調べる検査はいずれも陰性になります。マットレス(Matles)テストは、腹臥位で両膝を90度屈曲させ、足関節が示す安静肢位を左右で見比べる検査です。腱がつながっていれば患側も健側と同じように軽度底屈位を保ちますが、アキレス腱が断裂していると底屈位を保てず、足部が中間位〜背屈位に落ちるため陽性となります。握る手技ではない点が特徴です。これに対しトンプソン(シモンズ)テストは、腹臥位で下腿三頭筋の筋腹を把握し、足関節の底屈が起こるかをみる別の検査で、断裂していると握っても底屈が起こらず陽性です。手技は異なりますが、どちらもアキレス腱の連続性を評価するものであり、肉離れでは陰性、アキレス腱断裂で陽性という結論は共通です。肉離れでは損傷部の圧痛と陥凹感、底屈筋力の低下がみられ、自動的な底屈では損傷した筋線維が収縮して痛み、他動的な背屈では引き伸ばされて痛むという、収縮痛と伸張痛の両方が出ます。急性期はRICE処置と底屈位での固定・保護から始め、疼痛の消退に合わせて段階的にストレッチと荷重を進めます。
| 下腿三頭筋肉離れ | アキレス腱断裂 | |
|---|---|---|
| 損傷部位 | 筋腱移行部(筋線維) | 踵骨腱(腱の連続性が絶たれる) |
| マットレス(Matles)テスト 腹臥位・両膝90度屈曲位で安静肢位をみる | 陰性(患側も軽度底屈位を保つ) | 陽性(底屈位を保てず中間位〜背屈位) |
| トンプソン(シモンズ)テスト 下腿三頭筋の筋腹を把握する | 陰性(底屈が起こる) | 陽性(底屈が起こらない) |
| 底屈筋力 | 低下 | 著明に低下、つま先立ち不能 |
| 陥凹の触知 | 筋腹の限局した圧痛が主 | 腱に明らかな陥凹を触れる |
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