学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §30 下腿三頭筋肉ばなれの診察 / QJ34A033

理由で解く 柔道整復師

QJ34A033 必修問題

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問33
問題
下腿三頭筋肉離れで正しいのはどれか。
選択肢
1 テニスレッグとも呼ばれる。
2 腓腹筋内側頭の筋腹に好発する。
3 青年期に好発する。
4 疼痛はアキレス腱断裂に比べ軽微である。
解答
正解1(テニスレッグとも呼ばれる。)
解説

下腿三頭筋の肉離れは中年以降のテニスやバドミントンなどで起こりやすく、「テニスレッグ」と呼ばれる。

腓腹筋は大腿骨顆部から起こって膝関節と足関節をまたぐ二関節筋なので、膝を伸ばしたまま足関節を背屈させる肢位、すなわち踏み込みや切り返しの瞬間に最も引き伸ばされる。ここに急な収縮が重なると筋線維が損傷する。好発するのは伸張ストレスが集中する腓腹筋内側頭の遠位、筋腱移行部である。受傷時には「後ろから叩かれた」「ボールが当たった」ような衝撃と激痛を訴え、つま先立ちや歩行が困難になる。同じ部位の外傷であるアキレス腱断裂との鑑別が重要で、断裂ではアキレス腱部に陥凹を触れ、シモンズ(トンプソン)テストが陽性となり、片脚つま先立ち(踵挙上)ができない。なお完全断裂でも後脛骨筋・長母趾屈筋・長趾屈筋・腓骨筋群の働きで自動底屈がわずかに可能なことがあるため、足首が動くことを理由に断裂を否定してはならない。初期はRICE処置と足関節軽度底屈位での固定を行い、断裂が疑われれば医師の診察につなぐ。

✓ 1. 正しい
テニスレッグとも呼ばれる。
テニスの踏み込み・切り返し動作で発生することが多いことに由来する呼び名。競技を問わず同じ機序で起こる。
✗ 2. 誤り
腓腹筋内側頭の筋腹に好発する。
内側頭であることは正しいが、好発部位は筋腹ではなく遠位の筋腱移行部。肉離れは筋と腱の硬さが変わる筋腱移行部に伸張ストレスが集中して起こる。
✗ 3. 誤り
青年期に好発する。
好発するのは30〜50歳代以降の中高年。筋の柔軟性低下と、久しぶりの運動など準備の不足が背景になる。
✗ 4. 誤り
疼痛はアキレス腱断裂に比べ軽微である。
受傷時の疼痛はいずれも強く、痛みの強さで区別することはできない。鑑別の手がかりは、断裂ではアキレス腱部に陥凹を触れ、シモンズ(トンプソン)テストが陽性となり、片脚つま先立ち(踵挙上)ができない点である。
ポイント
  • 別名テニスレッグ。中高年に好発する
  • 好発部位は腓腹筋内側頭の遠位、筋腱移行部
  • 受傷機転は膝伸展位+足関節背屈での急激な収縮
  • アキレス腱断裂との鑑別は「陥凹の触知」「シモンズ(トンプソン)テスト陽性」「片脚つま先立ち(踵挙上)不能」の3点。完全断裂でも他の底屈筋により自動底屈がわずかに可能なことがある
  • 初期はRICE処置と足関節軽度底屈位での固定。断裂が疑われれば医師の診察につなぐ
比較表
下腿三頭筋肉離れ(テニスレッグ)アキレス腱断裂
好発部位腓腹筋内側頭の遠位・筋腱移行部踵骨付着部の2〜6cm近位
触診筋腹に限局した圧痛、時に陥凹アキレス腱部に明らかな陥凹
シモンズ(トンプソン)テスト陰性陽性
自動底屈可能だが疼痛あり他の底屈筋によりわずかに可能なことがあるが著明に減弱
片脚つま先立ち疼痛のため困難だが可能なことがある不能
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