学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §26 膝関節側副靱帯損傷の診察 / QJ33A028

理由で解く 柔道整復師

QJ33A028 必修問題

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問28
問題
膝関節側副靱帯の第Ⅰ度損傷で正しいのはどれか。
選択肢
1 機能障害は生じない。
2 靱帯線維の微小損傷である。
3 膝関節伸展位で側方動揺性がみられる。
4 膝関節屈曲5度で側方動揺性がみられる。
解答
正解2(靱帯線維の微小損傷である。)
解説

膝関節側副靱帯の第Ⅰ度損傷は靱帯線維の微小な損傷で、靱帯全体の連続性は保たれ、側方動揺性は認めない。正答は2。

靱帯損傷は程度により三段階に分けられる。第Ⅰ度は靱帯が引き伸ばされ、一部の線維が微小に損傷した状態で、連続性は保たれている。圧痛と軽度の腫脹があり、動かしたときの痛みによる軽度の機能障害は生じるが、ストレステストで動揺性(不安定性)は出ない。第Ⅱ度は部分断裂で、屈曲30度での外反/内反ストレスに動揺性が出るものの終末抵抗(エンドポイント)は感じられる。第Ⅲ度は完全断裂で、明らかな動揺性があり終末抵抗が消える。側方動揺性は膝屈曲約30度と伸展0度の二つの肢位で診るのが基本で、伸展位でも動揺するときは十字靱帯や後方関節包を含む重度の複合損傷を疑い、医師の診察につなぐ。第Ⅰ度であってもRICE処置と患部の保護を行い、疼痛・腫脹の推移と動揺性の有無を経過のなかで再評価したうえで、痛みの範囲で可動域と大腿四頭筋の運動を進めていく。

✓ 2. 正しい
靱帯線維の微小損傷である。
第Ⅰ度は靱帯が伸張され、線維の一部が微小に損傷した段階。靱帯全体の連続性は保たれるため、圧痛はあっても動揺性は生じない。これが第Ⅱ度(部分断裂)・第Ⅲ度(完全断裂)との分かれ目になる。
✗ 1. 誤り
機能障害は生じない。
動揺性はなくても、圧痛・軽度の腫脹・運動時痛による軽度の機能障害は生じる。第Ⅰ度は「機能障害が軽度」であって「まったくない」わけではないため、この言い切りは成り立たない。
✗ 3. 誤り
膝関節伸展位で側方動揺性がみられる。
伸展位(0度)でも動揺性が出るのは、十字靱帯や後方関節包を含む重度の複合損傷を示唆する所見であり、第Ⅰ度の像ではない。この所見を認めたら医師の診察につなぐ。
✗ 4. 誤り
膝関節屈曲5度で側方動揺性がみられる。
側副靱帯単独の評価は膝屈曲約30度で行うのが基本で、屈曲5度という浅い角度は伸展位に近い評価肢位にあたる。いずれにせよ第Ⅰ度では動揺性そのものを認めない。
ポイント
  • 第Ⅰ度=微小損傷(連続性は保たれる)/第Ⅱ度=部分断裂/第Ⅲ度=完全断裂。
  • 第Ⅰ度:圧痛・軽度腫脹・軽度の機能障害はあるが、側方動揺性はない。
  • 側方動揺性テストは屈曲約30度と伸展0度の二肢位で行う。
  • 屈曲30度のみで動揺=側副靱帯単独/伸展位でも動揺=十字靱帯・後方関節包を含む重度損傷。
  • 第Ⅰ度でもRICE処置と患部の保護を行い、経過中に動揺性と疼痛の変化を再評価する。
比較表
程度靱帯の状態屈曲30度での動揺性終末抵抗機能障害
第Ⅰ度線維の微小損傷(連続性あり)なしあり軽度
第Ⅱ度部分断裂ありあり中等度
第Ⅲ度完全断裂明らかにあり消失高度
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