学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §26 膝関節側副靱帯損傷の診察 / QJ32A028

理由で解く 柔道整復師

QJ32A028 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問28
問題
膝関節内側側副靱帯損傷で正しいのはどれか。
選択肢
1 嵌頓症状
2 外反動揺性
3 膝後面の疼痛
4 前方引き出し陽性
解答
正解2(外反動揺性)
解説

内側側副靱帯(MCL)は膝の内側で外反を止めている靱帯です。損傷すると外反ストレスに対する制動が失われ、外反動揺性が出現します。

MCLは大腿骨内側上顆から脛骨内側に張り、膝が外へ折れる方向(外反)を制動しています。受傷機転も膝の外側から力を受けて外反が強制される場面が典型で、圧痛と疼痛は膝の内側に出ます。評価は外反ストレステストで、膝完全伸展位と軽度屈曲位(約30度)の両方で行い、伸展位でも動揺するときは十字靱帯や後内側支持機構まで及ぶ重度損傷を疑います。膝の障害は「どの構造が、どの方向の動きを止めているか」で所見が決まるため、動揺の方向と靱帯を対応づけて整理しておくと迷いません。

✓ 2. 正しい
外反動揺性
MCLは外反の制動役なので、断裂すると外反ストレステストで内側関節裂隙が開き、動揺性として捉えられます。屈曲30度位と伸展位で比較し、重症度の見当をつけます。
✗ 1. 誤り
嵌頓症状
断裂した組織片が関節の間に挟まって伸展できなくなる嵌頓(ロッキング)は、半月板損傷に特徴的な所見です。靱帯単独の損傷では通常みられません。
✗ 3. 誤り
膝後面の疼痛
MCLは膝の内側にあるため、圧痛は大腿骨内側上顆から脛骨内側にかけて出ます。膝後面の疼痛は後方の関節包や膝窩部の病変を考える所見です。
✗ 4. 誤り
前方引き出し陽性
脛骨が前方へ引き出されるのは前十字靱帯(ACL)の制動が失われたときの所見です。ただしMCL損傷はACL・内側半月板と合併しやすいので、陽性なら合併損傷を疑って対応します。
ポイント
  • MCLは大腿骨内側上顆〜脛骨内側に張り、外反を制動する。損傷=外反動揺性。
  • 受傷機転は膝外側からの外力による外反強制。圧痛は膝内側。
  • 外反ストレステストは伸展位と屈曲30度位の両方で実施し、左右差をみる。
  • 嵌頓(ロッキング)は半月板、前方引き出しはACLの所見。
  • MCL・ACL・内側半月板は合併しやすい(不幸の三徴)。1つ見つけたら他も確認する。
比較表
損傷部位特徴的所見検査
内側側副靱帯外反動揺性・内側の圧痛外反ストレステスト
外側側副靱帯内反動揺性・外側の圧痛内反ストレステスト
前十字靱帯前方動揺性・関節血症前方引き出し、ラックマン、Nテスト
後十字靱帯後方動揺性・サギング後方引き出し、サギングサイン
半月板嵌頓(ロッキング)・関節裂隙の圧痛マックマレー、アプライ圧迫
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