学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §26 膝関節側副靱帯損傷の診察 / QJ31A028

理由で解く 柔道整復師

QJ31A028 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問28
問題
靱帯損傷の検査はどれか。
選択肢
1 膝蓋骨グラインディングテスト
2 牽引アプライテスト
3 マックマレーテスト
4 トーマステスト
解答
正解2(牽引アプライテスト)
解説

アプライテストは、圧迫を加えるか牽引を加えるかで対象組織が変わります。牽引(ディストラクション)を加える方は側副靱帯の損傷を評価する検査です。

アプライテストは腹臥位で膝を90度屈曲させ、術者が大腿部を固定して行います。ここで足底側から下腿の長軸に沿って膝の方向へ(遠位から近位へ)軸圧を加えながら下腿を回旋させると、大腿骨と脛骨の関節面が互いに近づき、その間に半月板が挟み込まれて疼痛が出ます(圧迫テスト=半月板)。反対に下腿を長軸方向へ引き上げ、関節面を離開させながら回旋すると、半月板に加わる圧は減り、代わりに内側・外側の側副靱帯が伸張されます(牽引テスト=側副靱帯)。関節面が近づくのか離れるのかを思い浮かべれば、どちらの組織が刺激されるかは機械的に導けます。

✓ 2. 正しい
牽引アプライテスト
下腿を長軸方向へ引き上げながら回旋するため、大腿骨と脛骨の関節面は離れます。半月板は挟み込まれず、代わりに側副靱帯が伸張されるので、疼痛が出れば側副靱帯損傷を疑う所見となります。
✗ 1. 誤り
膝蓋骨グラインディングテスト
膝蓋骨を大腿骨に押しつけながら滑らせる検査で、膝蓋大腿関節の軟骨の異常(膝蓋軟骨軟化症など)を評価します。靱帯の検査ではありません。
✗ 3. 誤り
マックマレーテスト
膝を深屈曲位から回旋を加えつつ伸展していき、クリックや疼痛をみる半月板の検査です。
✗ 4. 誤り
トーマステスト
背臥位で健側股関節を抱え込み、患側大腿が浮き上がるかをみる検査で、股関節の屈曲拘縮(腸腰筋の短縮)を評価します。膝の靱帯とは無関係です。
ポイント
  • アプライテストは腹臥位・膝90度屈曲で行う。圧迫=半月板、牽引=側副靱帯。
  • 圧迫は足底側から膝方向へ(遠位→近位)軸圧を加える操作で、関節面が近づく。牽引は下腿を長軸方向へ引き上げる操作で、関節面が離れる。
  • 関節面が近づく操作なら半月板、離れる操作なら側副靱帯、と機序で覚える。
  • マックマレーテストも半月板の検査。アプライ圧迫テストとセットで押さえる。
  • 膝蓋骨グラインディングテストは膝蓋大腿関節、トーマステストは股関節屈曲拘縮の検査。
  • 複数の検査を組み合わせ、圧痛部位・関節裂隙の所見と合わせて判断する。
比較表
テスト操作関節面の動き評価対象
牽引アプライテスト下腿を長軸方向へ引き上げつつ回旋離れる(離開)側副靱帯
圧迫アプライテスト足底側から膝方向へ軸圧を加えつつ回旋近づく(圧迫)半月板
マックマレーテスト深屈曲位から回旋を加え伸展半月板
膝蓋骨グラインディングテスト膝蓋骨を圧迫し滑走させる膝蓋大腿関節(軟骨)
トーマステスト健側股関節を屈曲し患側大腿をみる股関節屈曲拘縮(腸腰筋)
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