学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §24 上腕二頭筋長頭腱損傷の診察 / QJ33A027

理由で解く 柔道整復師

QJ33A027 必修問題

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問27
問題
伸長性収縮を評価するのはどれか。
選択肢
1 スピードテスト
2 ホーキンスサイン
3 ヤーガソンテスト
4 ドロップアームサインー
解答
正解1(スピードテスト)
解説

伸長性(遠心性)収縮とは、筋が引き伸ばされながら力を出す状態です。肩関節屈曲位を保つ腕を検者が押し下げるスピードテストが、これに当たります。

筋の収縮様式は、筋が短くなりながら力を出す短縮性(求心性)、長さを変えない等尺性、引き伸ばされながら力を出す伸長性(遠心性)に分けられます。伸長性収縮は同じ筋力でも腱にかかる張力が大きく、腱付着部の障害を再現しやすいという性質があります。スピードテストは肘を伸ばし前腕を回外させた状態で肩関節を屈曲させ、検者が前腕遠位に下方への抵抗を加えるもので、被検者が抵抗に抗しきれずに腕が下がる過程で上腕二頭筋が引き伸ばされながら収縮し、結節間溝部に痛みが誘発されれば陽性です。他の三つは、他動的な衝突を再現するもの、抵抗下の回外で疼痛をみるもの、腱板の連続性・保持力をみるものであり、伸長性収縮そのものを評価対象にしてはいません。

✓ 1. 正しい
スピードテスト
肩屈曲位の腕に下方への抵抗を加え、腕が押し下げられる過程で上腕二頭筋が引き伸ばされながら収縮します。この伸長性収縮によって結節間溝部の痛みが誘発されれば、上腕二頭筋長頭腱の障害を示唆します。
✗ 2. 誤り
ホーキンスサイン
肩90度屈曲・肘90度屈曲位から検者が他動的に内旋させ、棘上筋腱が烏口肩峰アーチに衝突する痛みをみる検査です。被検者は力を出さないため、収縮様式を評価する検査ではありません。
✗ 3. 誤り
ヤーガソンテスト
肘90度屈曲・前腕回内位から、抵抗に抗して回外させる検査です。筋は短縮あるいは長さを保ちながら力を出しており、引き伸ばされながらの収縮ではありません。
✗ 4. 誤り
ドロップアームサインー
他動的に挙上した腕をゆっくり下ろさせ、途中で保持できずに落ちるかをみる検査です。評価している対象は腱板の連続性と保持力(脱力の有無)であり、伸長性収縮による疼痛誘発を目的とした検査ではありません。
ポイント
  • 収縮様式は短縮性(求心性)・等尺性・伸長性(遠心性)の3つ。
  • 伸長性収縮は腱の張力が大きく、腱付着部障害を再現しやすい。
  • スピードテスト=肘伸展・前腕回外で肩屈曲、下方への抵抗。伸長性収縮で長頭腱の痛みをみる。
  • ホーキンスサインは他動運動、ヤーガソンテストは抵抗下の回外。
  • ドロップアームサインは腱板断裂による保持力低下(落下)をみる。
比較表
検査操作評価しているもの
スピードテスト肩屈曲位に下方抵抗伸長性収縮での長頭腱の疼痛
ヤーガソンテスト抵抗下の前腕回外抵抗下収縮での長頭腱の疼痛
ホーキンスサイン他動的な肩内旋肩峰下インピンジメント
ドロップアームサイン挙上位から自動で下ろす腱板断裂(保持できず落下)
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