学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §24 上腕二頭筋長頭腱損傷の診察 / QJ33A026

理由で解く 柔道整復師

QJ33A026 必修問題

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問26
問題
圧痛が上腕骨近位前方に限局するのはどれか。
選択肢
1 SLAP損傷
2 動揺性肩関節
3 リトルリーガー肩
4 上腕二頭筋長頭腱炎
解答
正解4(上腕二頭筋長頭腱炎)
解説

上腕骨近位前方には結節間溝があり、そこを走る上腕二頭筋長頭腱の炎症では圧痛がその一点に限局します。

結節間溝は大結節と小結節の間にある浅い溝で、体表からは肩関節前面のやや外側、肩峰前縁から数センチ下方に触れます。上腕二頭筋長頭腱はこの溝の中を走り、肩の運動のたびに溝の中を滑動するため、投球や挙上動作の反復で摩擦性の炎症を起こしやすい部位です。溝の位置は上腕を内外旋させると指の下で腱が動くのが分かるため、圧痛点を確認しやすいのが特徴です。他の肩疾患は関節内の深い痛みや広い範囲の痛みを訴えることが多く、「前方の一点を押すと再現できる痛み」という所見が長頭腱炎を強く示唆します。評価ではヤーガソンテストやスピードテストで疼痛が再現されるかを確認し、投球や挙上動作の一時的な制限、フォームや使用量の見直しを指導につなげます。

✓ 4. 正しい
上腕二頭筋長頭腱炎
長頭腱が走る結節間溝は上腕骨近位の前方にあり、炎症があるとこの溝に一致した限局性の圧痛が出ます。上腕を内外旋させながら押さえると、腱の直上で痛みが再現されます。
✗ 1. 誤り
SLAP損傷
上方関節唇の前後方向の損傷で、痛みは関節内の深い部位に感じられ、クリックや引っかかり感、投球時の脱力感が主体です。体表から押して一点で再現できる性質の圧痛にはなりにくい病態です。
✗ 2. 誤り
動揺性肩関節
関節包や靱帯の弛緩による不安定性が本態で、荷物を持つと肩が重だるい、抜けそうといった訴えが中心です。サルカスサインなど不安定性の所見が重要で、圧痛が特定の一点に限局することはありません。
✗ 3. 誤り
リトルリーガー肩
投球の反復による上腕骨近位骨端線の障害で、圧痛は骨端線に一致して現れます。前方の結節間溝という一点に限局するものではなく、年齢(成長期)と投球歴が診断の鍵になります。
ポイント
  • 結節間溝=大結節と小結節の間。上腕骨近位の前方にある。
  • 長頭腱炎の圧痛はこの溝に一致して限局する。
  • 上腕を内外旋させると腱の動きが触れ、圧痛点を特定しやすい。
  • 誘発テストはヤーガソンテスト、スピードテスト。
  • SLAP損傷は関節内深部痛、動揺性肩関節は不安定感、リトルリーガー肩は骨端線の圧痛と区別する。
比較表
疾患痛みの部位・性質手がかり
上腕二頭筋長頭腱炎結節間溝に限局した圧痛ヤーガソン・スピードテスト
SLAP損傷関節内の深部痛クリック、投球時の脱力感
動揺性肩関節限局しない重だるさサルカスサイン、不安定感
リトルリーガー肩上腕骨近位骨端線の圧痛成長期・投球過多
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