学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §19 肘関節後方脱臼の診察および整復 / QJ33A022

理由で解く 柔道整復師

QJ33A022 必修問題

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問22
問題
肘関節後方脱臼で正しいのはどれか。
選択肢
1 前腕長は延長してみえる。
2 肘頭は前側方へ変形突出する。
3 上腕二頭筋腱の索状隆起を触れる。
4 肘関節は 30~40度の屈曲位となる。
解答
正解4(肘関節は 30~40度の屈曲位となる。)
解説

肘関節後方脱臼では、肘関節が約30〜40度の屈曲位で弾発性に固定される。正答は4。

転倒して手をつき、肘関節が過伸展されると、尺骨鉤状突起が上腕骨滑車を乗り越え、前腕が後方へ転位する。外観は肘関節が30〜40度前後の屈曲位のまま弾発性固定となり、他動的に動かそうとしても抵抗があり手を離すと元の肢位に戻る。上腕は延長して、前腕は短縮してみえる。肘頭は後上方へ高く突出し、そこに付着する上腕三頭筋腱が索を張ったように緊張して触れる。前面の肘窩では上腕骨遠位端を皮下に触れる。また、肘頭と上腕骨内側上顆・外側上顆がつくるヒューター三角の関係が乱れるのも重要な所見である。肘周囲は正中神経・尺骨神経・上腕動脈が近くを走るため、整復の前後で必ず手指の感覚と運動、橈骨動脈の拍動を確かめ、異常があれば直ちに医師の診察につなぐ。

✓ 4. 正しい
肘関節は 30~40度の屈曲位となる。
後方脱臼では、この程度の屈曲位で弾発性固定となる。動かそうとするとばね様の抵抗があり、手を離すと同じ肢位に戻るのが特徴で、骨折との鑑別の手がかりにもなる。
✗ 1. 誤り
前腕長は延長してみえる。
前腕が後方かつ上方へずれるため、前腕は短縮してみえ、上腕が延長してみえる。延長・短縮の向きが逆になっている。
✗ 2. 誤り
肘頭は前側方へ変形突出する。
肘頭が突出するのは後方(後上方)である。前面に突出して触れるのは上腕骨遠位端であり、肘頭と取り違えないようにしたい。
✗ 3. 誤り
上腕二頭筋腱の索状隆起を触れる。
索状に緊張して触れるのは、肘頭に付着する上腕三頭筋腱。肘頭が後上方へ引き上げられることで三頭筋腱が張るため。付着部から考えると取り違えにくい。
ポイント
  • 受傷機転:転倒して手をつき、肘関節が過伸展されて前腕が後方へ転位する。
  • 弾発性固定はおよそ30〜40度の屈曲位。
  • 上腕は延長してみえ、前腕は短縮してみえる。
  • 肘頭は後上方に突出し、上腕三頭筋腱が索状に緊張。肘窩では上腕骨遠位端を触れる。
  • ヒューター三角の乱れを確認。整復前後に正中・尺骨神経の症状と橈骨動脈拍動を必ずチェックする。
比較表
診るところ後方脱臼で実際にみられる所見まぎらわしい記述
肢位約30〜40度屈曲位で弾発性固定——
長さ前腕は短縮、上腕は延長してみえる「前腕が延長」は逆
肘頭後上方へ突出「前側方へ突出」は誤り
索状に触れる腱上腕三頭筋腱(肘頭に付着)「上腕二頭筋腱」は誤り
肘窩上腕骨遠位端を皮下に触れる——
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