学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §16 肩鎖関節上方脱臼の固定 / QJ33A018

理由で解く 柔道整復師

QJ33A018 必修問題

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問18
問題
肩鎖関節脱臼の固定で正しいのはどれか。
選択肢
1 絆創膏固定法では肩峰を圧迫する。
2 包帯固定では胸十字帯法を用いる。
3 枕子で鎖骨近位端を下方へ圧迫する。
4 上腕を長軸方向に持ち上げて固定する。
解答
正解4(上腕を長軸方向に持ち上げて固定する。)
解説

肩鎖関節脱臼の大半を占める上方脱臼では、整復位を保つのに鎖骨遠位端を上から押さえる力と、上腕を長軸方向に突き上げる力の二つが要る。正答は4。

以下は上方脱臼を前提とした説明である。肩鎖関節上方脱臼では鎖骨遠位端が上方に突出して見えるが、実際は上肢と肩甲骨が重さで下がっている。したがって整復は、鎖骨遠位端を上方から下方へ押さえると同時に、下がった上肢を長軸方向に突き上げて肩峰を鎖骨に近づける。この二方向の力を保ち続けるのが難しい固定なので、絆創膏や枕子、三角巾を組み合わせ、上肢の重さで肩峰が引き下がらないよう支える。皮膚のかぶれ、絆創膏の緩み、上腕の圧迫による循環障害を確認し、緩んだら巻き直す。整復位が保てない例は医師の診察につなぐ。

✓ 4. 正しい
上腕を長軸方向に持ち上げて固定する。
下垂した上肢・肩甲帯を突き上げ、肩峰を鎖骨遠位端に近づける。上からの圧迫と対になって整復位が保たれる。
✗ 1. 誤り
絆創膏固定法では肩峰を圧迫する。
上から押さえるのは上方に突出した鎖骨遠位端。肩峰側は逆に下から支え上げる。
✗ 2. 誤り
包帯固定では胸十字帯法を用いる。
胸部十字帯(8字帯)は両肩を後方へ引く固定で、鎖骨遠位端を下方へ押さえる力も上腕を突き上げる力も加わらない。
✗ 3. 誤り
枕子で鎖骨近位端を下方へ圧迫する。
上方へ突出しているのは遠位端(肩峰端)。近位端(胸骨端)を押さえても整復位は保てない。
ポイント
  • 肩鎖関節脱臼の大半は上方脱臼。その本態は上肢・肩甲骨の下垂で、鎖骨遠位端が上がって見える。
  • 上方脱臼に必要な二方向:鎖骨遠位端を上から下へ圧迫+上腕を長軸方向に突き上げ。
  • 枕子は鎖骨遠位端に当てる。
  • 上肢は三角巾などで支え、重さによる再転位を防ぐ。
  • 緩みやすい固定なので繰り返し確認し、皮膚障害・循環障害もみる。
比較表
上方脱臼の固定で加える力
力の向き当てる部位目的
下方へ圧迫鎖骨遠位端(肩峰端)上方転位を戻す
上方へ突き上げ上腕(長軸方向)・肘部下垂した肩峰を鎖骨に近づける
支持三角巾で前腕・上肢上肢の重さによる再転位を防ぐ
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