学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ32P118
理由で解く 柔道整復師
思春期の肥満体型の男子が「膝の痛み」を訴え、実際には股関節の他動運動が制限されている。この組合せが大腿骨頭すべり症を強く示唆する。
大腿骨頭すべり症は、成長期(おおよそ10〜16歳)に骨端線が力学的に弱くなり、骨頭が骨頸部に対して後内下方へずれていく疾患で、肥満体型の男子に多い。股関節の痛みは閉鎖神経を介した関連痛として大腿前面や膝に感じられるため、患者本人は膝の痛みだけを訴えることが多く、股関節が見落とされて受診が遅れやすい。局所の腫脹・熱感といった炎症所見に乏しい一方、股関節の他動運動では屈曲・内旋・外転が制限され、屈曲させると自然に外旋してしまうドレーマン徴候がみられる。ずれが進行すると骨頭壊死や軟骨融解、変形を残すため、疑った時点で荷重を避けさせ、直ちに整形外科へ紹介する。
| 単純性股関節炎 | ペルテス病 | 大腿骨頭すべり症 | |
|---|---|---|---|
| 好発年齢 | 3〜10歳 | おおむね4〜10歳 | 10〜16歳(思春期) |
| 体型・背景 | 先行感染が多い | 小柄で活動的な男児 | 肥満体型の男子に多い |
| 経過 | 急性、数日〜2週で軽快 | 数か月〜年単位で緩徐 | 数週〜数か月で進行 |
| 訴えの場所 | 股関節・鼠径部、跛行 | 股関節痛・膝痛、跛行 | 膝・大腿前面の関連痛が多い |
| 可動域 | 外転・内旋制限(疼痛性) | 外転・内旋制限 | 屈曲・内旋・外転制限、ドレーマン徴候 |
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