学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ32P105

理由で解く 柔道整復師

QJ32P105 柔道整復理論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問105
問題
53歳の女性。1週前、自宅で転倒し右腰部に痛みを自覚した。初検時、棘突起の圧痛は軽度で、下肢伸展挙上テストは陰性であった。起居動作および左側屈で疼痛が誘発された。考えられるのはどれか。
選択肢
1 腰部脊柱管狭窄症
2 腰椎肋骨突起骨折
3 腰椎椎間板ヘルニア
4 胸腰椎移行部圧迫骨折
解答
正解2(腰椎肋骨突起骨折)
解説

外傷後の腰痛で、棘突起の圧痛は軽度、SLR陰性、反対側への側屈で誘発される=腰椎肋骨突起骨折。答えは2。

腰椎の肋骨突起(横突起)には腰方形筋や腸腰筋、脊柱起立筋群が付着する。転倒による側方からの直達外力や、これらの筋の急激な収縮による牽引で骨折が起こる。所見の特徴は、正中の棘突起ではなく脊柱の外側(肋骨突起の高さ)に限局した圧痛があること、そして損傷側の筋を伸ばす方向、つまり健側への側屈で疼痛が誘発されることである。本例は右腰部の損傷で左側屈により疼痛が誘発されており、この所見によく合う。神経根症状がないためSLRは陰性で、体幹を動かす起居動作で強く痛む。

✓ 2. 正しい
腰椎肋骨突起骨折
棘突起の圧痛が軽度で、圧痛の中心は脊柱の外側にある。健側(左)への側屈で損傷側(右)の筋が伸張されて疼痛が誘発され、SLR陰性で神経根症状を伴わない点もすべて一致する。起居動作の工夫を指導しつつ、骨折の確認のため画像診断を医師に依頼する。
✗ 1. 誤り
腰部脊柱管狭窄症
加齢性の変化で馬尾や神経根が圧迫される疾患で、歩行により下肢のしびれ・脱力が生じ前屈や休息で軽快する間欠跛行が中心症状。転倒直後から始まる限局した腰痛は説明できない。
✗ 3. 誤り
腰椎椎間板ヘルニア
神経根が圧迫されれば下肢への放散痛としびれが生じ、SLRが陽性になることが多い。本例はSLR陰性で下肢症状の記載もない。
✗ 4. 誤り
胸腰椎移行部圧迫骨折
椎体が圧潰すると棘突起の圧痛・叩打痛が著明となり、体軸方向の圧迫や起き上がりで強く痛む。本例は棘突起の圧痛が軽度である点が合わない。ただし高齢者や骨粗鬆症例では所見が乏しいこともあるため、症状が続く場合は再評価する。
ポイント
  • 腰椎肋骨突起(横突起)骨折は側方からの直達外力または筋の牽引で発生し、第3腰椎に多い。
  • 圧痛は棘突起ではなく脊柱の外側に限局する。棘突起の圧痛・叩打痛は軽度。
  • 健側への側屈で損傷側の筋が伸張されて疼痛が誘発される。
  • 神経根症状を伴わないためSLRは陰性。
  • 高エネルギー外傷での多発例では腎損傷の合併に注意する。血尿があれば直ちに医療機関へつなぐ。
比較表
疾患圧痛の中心SLR疼痛の誘発
腰椎肋骨突起骨折脊柱の外側(肋骨突起部)陰性健側への側屈、起居動作
胸腰椎移行部圧迫骨折棘突起(叩打痛著明)陰性体軸方向の圧迫、起き上がり
腰椎椎間板ヘルニア傍脊柱、下肢への放散陽性が多い前屈、咳・くしゃみ
腰部脊柱管狭窄症限局しにくい陰性のことが多い歩行(間欠跛行)、後屈
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。