学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ32P099

理由で解く 柔道整復師

QJ32P099 柔道整復理論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問99
問題
腱交叉症候群に関与しないのはどれか。
選択肢
1 長母指伸筋
2 長母指外転筋
3 長橈側手根伸筋
4 短橈側手根伸筋
解答
正解1(長母指伸筋)
解説

腱交叉症候群は第1区画と第2区画の腱が交差する部位の障害。長母指伸筋は第3区画で関与しない。答えは1。

前腕遠位背側では、母指を動かす第1区画(長母指外転筋・短母指伸筋)の腱が、手関節を伸展させる第2区画(長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋)の腱の上を斜めに乗り越えて交差する。橈骨遠位端から約4~6cm近位のこの交差部で、手関節の反復した背屈・掌屈により腱同士がこすれ合い、腱鞘に炎症と浮腫が起きるのが腱交叉症候群である。ボート漕ぎ、ウエイトリフティング、ラケット競技などに多く、局所の腫脹・熱感と、こするような握雪音(捻髪音)を触知するのが特徴である。

✓ 1. これが答え(関与しない)
長母指伸筋
長母指伸筋は第3区画を通り、リスター結節を回り込んで走行するため、第1区画と第2区画の交差部には関与しない。この腱で問題になるのは、橈骨遠位端骨折後などに起こる皮下断裂である。
✗ 2. 関与する(答えではない)
長母指外転筋
第1区画を通り、第2区画の腱の上を乗り越える側の腱。短母指伸筋とともに交差の「上側」を構成する。
✗ 3. 関与する(答えではない)
長橈側手根伸筋
第2区画を通り、第1区画の腱に乗り越えられる「下側」の腱。
✗ 4. 関与する(答えではない)
短橈側手根伸筋
同じく第2区画を通る腱で、長橈側手根伸筋とともに交差部の下を走る。
ポイント
  • 交差するのは第1区画(長母指外転筋・短母指伸筋)と第2区画(長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋)。
  • 部位は橈骨遠位端から約4~6cm近位の前腕遠位背側。ドケルバン病より近位に圧痛点がある。
  • 所見は局所の腫脹・熱感と握雪音(捻髪音)。
  • 長母指伸筋は第3区画。リスター結節を回り込むので交差部には関わらない。
  • 対応は反復動作の一時的な制限、手関節と母指の安静(装具)、炎症の管理、復帰時の動作・用具の見直し。
比較表
項目腱交叉症候群ドケルバン病
障害部位第1区画と第2区画の交差部第1区画(橈骨茎状突起部の腱鞘)
圧痛の位置橈骨遠位端から約4~6cm近位橈骨茎状突起部
関与する腱長母指外転筋・短母指伸筋+長/短橈側手根伸筋長母指外転筋・短母指伸筋
特徴的所見腫脹・熱感・握雪音フィンケルシュタインテスト陽性
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。