学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §18 各論(脱臼) 頭部・体幹 / QJ32P087
理由で解く 柔道整復師
顎関節前方脱臼では下顎頭が関節結節を越えて前方へ移動する。したがって耳前部(関節窩)は陥凹し、その前方に下顎頭を触知する。
あくび、大笑い、長時間の歯科治療など大きく口を開けた際に、下顎頭が関節結節の前方に乗り上げ、閉口筋(咬筋・側頭筋)の緊張で戻れなくなったものが前方脱臼である。関節窩が空になるため耳の前に陥凹を触れ、頬骨弓の下・関節結節の前方に硬い下顎頭を触知する。両側脱臼では口が開いたまま閉じられず(弾発性固定)、オトガイが前方に突出し、唾液が流れ出て言語も不明瞭になる。一方、片側脱臼では健側の下顎頭が関節窩にとどまるため、下顎はある程度の開閉口運動が可能で、正常な咬合位に戻せないままオトガイが健側へ偏位して咬合がずれる。整復は術者の母指を下顎臼歯部に置いて下方へ押し下げ、他指でオトガイを持ち上げながら下顎頭を関節結節の後方へ導く。整復後は大開口を避けるよう指導し、反復するようなら歯科口腔外科の受診を勧める。
| 両側脱臼 | 片側脱臼 | |
|---|---|---|
| オトガイ | 前方へ突出 | 健側へ偏位 |
| 咬合 | 前歯部が開いて咬合できない | 咬合が患側でずれる |
| 開閉口 | 開口位で固定され閉口不能 | ある程度の開閉口は可能。ただし正常な咬合位には戻せない |
| 触知 | 両側で関節窩の陥凹+前方に下顎頭 | 患側のみ陥凹+前方に下顎頭 |
| 随伴症状 | 流涎・言語不明瞭が著明 | 流涎・言語不明瞭は両側より軽度 |
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