学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ32P080
理由で解く 柔道整復師
ベネット骨折では、母指内転筋や長母指屈筋などの牽引によって母指が内転・屈曲位をとり、第1手根中手関節部が背橈側に膨隆する。よって3が正しい。
ベネット骨折は第1中手骨基部の関節内骨折で、掌尺側に三角形の小骨片を残し、中手骨本体が橈背側・近位へずれる脱臼骨折である。小骨片は前斜靱帯(掌側の強い靱帯)で大菱形骨につなぎ留められるためほとんど動かず、転位するのは中手骨本体のほう。この本体を近位・橈側へ引くのが長母指外転筋で、さらに母指内転筋や長母指屈筋が母指を内転・屈曲方向へ引き込む。牽引・外転して整復すること自体は難しくないが、手を離すと同じ筋がまた引くため整復位の保持が難しく、経皮ピンニングなど観血的処置が選択されることが多い。整復位が保てないまま関節面に段差が残れば、母指の対立動作の障害と変形性関節症につながるので、変形と関節内骨折を疑った時点で整形外科へ紹介する判断が重要になる。
| 項目 | ベネット骨折 | ロランド骨折 |
|---|---|---|
| 骨折形態 | 掌尺側の三角形骨片を残す関節内脱臼骨折 | T字・Y字状の関節内粉砕骨折 |
| 転位 | 中手骨本体が橈背側・近位へ | 粉砕のため整復位が得にくい |
| 転位の主因 | 長母指外転筋の牽引 | 粉砕+筋の牽引 |
| 治療 | 整復容易だが保持困難、ピンニング等 | 観血的整復が必要になることが多い |
| 予後 | 関節面の段差で変形性関節症のリスク | より不良 |
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