学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §15 部位別各論 体幹 / QJ32P064

理由で解く 柔道整復師

QJ32P064 整形外科学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問64
問題
環軸関節回旋位固定で正しいのはどれか。
選択肢
1 成人に多く発症する。
2 超音波検査が有用である。
3 cock robin position をとる。
4 胸鎖乳突筋内に腫瘤を触知する。
解答
正解3(cock robin position をとる。)
解説

環軸関節回旋位固定は小児に多く、環椎が軸椎に対し回旋した位置で戻らなくなる病態で、頭部が一方に回旋し反対側へ側屈した特徴的なcock robin positionをとる。

小児は靭帯が緩く、環軸関節の関節面が成人より水平に近いため回旋位でロックしやすい。上気道炎や咽頭・扁桃の炎症に続いて生じるもの(グリセル症候群)や、軽微な外傷、就寝後の不良肢位を契機とするものがある。頭部は一側へ回旋し、反対側へ軽度側屈・軽度前屈した肢位となり、これがコマドリの首の傾きに似ることから cock robin position と呼ばれる。痛みと機械的なロックのため自分では戻せない点が、単なる寝違えとの違いになる。診断は単純エックス線の開口位で環軸椎の位置関係をみるほか、確定にはCT(三次元再構成)が有用である。治療は頸椎カラーによる安静と消炎鎮痛薬で、遷延例にはグリソン牽引が行われる。早期に整復されれば予後は良好だが、放置して数週を経ると固定化して治療が難しくなるため、この肢位に気づいたら早期に整形外科を受診するよう促すことが大切である。

✓ 3. 正しい
cock robin position をとる。
頭部が一側に回旋し、反対側へ軽度側屈・前屈した特徴的な頭位で、コマドリ(cock robin)の首の傾きにたとえられる。痛みとロックにより自動的にも他動的にも戻しにくいことが特徴で、視診の段階で本症を疑う手がかりとなる。
✗ 1. 誤り
成人に多く発症する。
多いのは小児(幼児から学童)である。靭帯の弛緩性と、水平に近い環軸関節面という解剖学的条件が背景にある。
✗ 2. 誤り
超音波検査が有用である。
環軸関節は骨に囲まれた深部にあり、超音波では骨に阻まれて関節面の回旋を評価できない。有用なのは単純エックス線の開口位と、確定診断としてのCT(三次元再構成)である。
✗ 4. 誤り
胸鎖乳突筋内に腫瘤を触知する。
胸鎖乳突筋内の硬い腫瘤(筋性腫瘤)は先天性筋性斜頸の所見で、生後まもなく気づかれ多くは自然に軽快する。環軸関節回旋位固定では筋の腫瘤は触れない。
ポイント
  • 小児に多い。靭帯が緩く環軸関節面が水平に近いことが背景。
  • 特徴的肢位=cock robin position(一側への回旋+反対側への側屈・軽度前屈)。
  • 誘因は上気道炎・咽頭炎(グリセル症候群)、軽微な外傷、不良肢位。
  • 画像は単純エックス線開口位とCT。超音波は骨に阻まれ評価できない。
  • 頸椎カラー・鎮痛・グリソン牽引で治療。遷延すると固定化するので早期受診を促す。
比較表
環軸関節回旋位固定先天性筋性斜頸
発症時期幼児〜学童(急性)生後2〜3週ごろに気づかれる
誘因上気道炎、軽微な外傷、不良肢位分娩時の要因などが想定される
触診筋の腫瘤は触れない胸鎖乳突筋内に硬い腫瘤を触知
頭位cock robin position、疼痛でロック患側へ側屈・反対側へ回旋、疼痛は乏しい
対応頸椎カラー、鎮痛、遷延例は牽引多くは自然軽快、経過観察が基本
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