学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §10 疾患別各論 非感染性軟部・骨関節疾患 / QJ32P059

理由で解く 柔道整復師

QJ32P059 整形外科学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問59
問題
骨粗鬆症の治療薬でないのはどれか。
選択肢
1 ビタミンC製剤
2 活性型ビタミンD製剤
3 ビスフォスフォネート製剤
4 選択的エストロゲン受容体調整薬
解答
正解1(ビタミンC製剤)
解説

骨粗鬆症の薬は「骨吸収を抑える」「骨形成を促す」「材料(カルシウム・ビタミン)を補う」の3系統で整理できる。ビタミンC製剤はこのいずれにも入らないため、これが設問の答えになる。

骨吸収を抑える側にはビスフォスフォネート、デノスマブ(抗RANKL抗体)、SERM、カルシトニンが並ぶ。骨形成を促す側はテリパラチド(副甲状腺ホルモン製剤)とロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体)である。材料を補う側が活性型ビタミンD製剤とカルシウム製剤で、ビタミンK2(メナテトレノン)はオステオカルシンのγ-カルボキシル化を助けて骨質に働く。ビタミンCはコラーゲンのヒドロキシル化に必要な補酵素であり、欠乏すれば壊血病を起こして骨形成にも支障が出るが、日本の骨粗鬆症の薬物治療で標準的に用いられる薬剤には含まれていない。この設問は否定形なので、「治療薬ではないもの=1」を選ぶ点に注意する。日常の指導では、薬物治療に加えてカルシウム・ビタミンD・タンパク質の摂取、日光浴、荷重運動、そして転倒予防(住環境の整備、下肢筋力とバランスの訓練)を組み合わせて骨折を防ぐ。

✓ 1. これが答え(骨粗鬆症の治療薬ではない)
ビタミンC製剤
ビタミンCはコラーゲン合成に必須の補酵素で、欠乏症である壊血病の予防・治療に用いられる。骨粗鬆症の治療薬として位置づけられておらず、骨密度を上げる目的では使われない。
✗ 2. 答えではない(骨粗鬆症の治療薬である)
活性型ビタミンD製剤
アルファカルシドールやエルデカルシトールが該当し、腸管からのカルシウム吸収を高めて骨形成の材料を確保する。筋機能を介して転倒を減らす効果も期待される。
✗ 3. 答えではない(骨粗鬆症の治療薬である)
ビスフォスフォネート製剤
骨の表面に沈着し、骨を吸収しようとした破骨細胞に取り込まれてその機能を止め、アポトーシスへ導く。骨吸収抑制薬の中心で、椎体骨折の抑制効果が確立している。
✗ 4. 答えではない(骨粗鬆症の治療薬である)
選択的エストロゲン受容体調整薬
SERM(ラロキシフェン、バゼドキシフェン)は骨ではエストロゲン様(作動的)に作用して骨吸収を抑える一方、乳腺や子宮ではエストロゲン様作用を示さず拮抗的に働く。この組織選択性がSERM(選択的エストロゲン受容体調整薬)の名の由来である。閉経後骨粗鬆症に用いられる。
ポイント
  • 否定形の設問。「治療薬でないもの」を選ぶ = ビタミンC製剤。
  • 骨吸収抑制:ビスフォスフォネート、デノスマブ、SERM、カルシトニン。
  • 骨形成促進:テリパラチド(PTH製剤)、ロモソズマブ。
  • 材料の補充・骨質:活性型ビタミンD、カルシウム、ビタミンK2。
  • SERMは組織によって作動的/拮抗的に働き分ける。骨=エストロゲン様、乳腺・子宮=拮抗的。
  • ビタミンCはコラーゲン合成の補酵素で、欠乏症(壊血病)の薬。骨粗鬆症治療薬ではない。
比較表
作用の系統代表薬働き方
骨吸収を抑えるビスフォスフォネート、デノスマブ、SERM、カルシトニン破骨細胞の機能・分化を抑え、骨が壊されるのを止める
骨形成を促すテリパラチド、ロモソズマブ骨芽細胞を刺激して新しい骨を作らせる
材料を補う・骨質を整える活性型ビタミンD、カルシウム、ビタミンK2Ca吸収の促進、オステオカルシンの活性化
骨粗鬆症治療薬ではないビタミンCコラーゲン合成の補酵素。欠乏症=壊血病の治療薬
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