学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §11 疾患別各論 全身性の骨・軟部疾患 / QJ32P060

理由で解く 柔道整復師

QJ32P060 整形外科学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問60
問題
低身長をきたさないのはどれか。
選択肢
1 軟骨無形成症
2 モルキオ(Morquio) 病
3 偽性上皮小体機能低下症
4 マルファン(Marfan)症候群
解答
正解4(マルファン(Marfan)症候群)
解説

マルファン症候群は結合組織のフィブリリン異常により四肢・指が細長く伸び、むしろ高身長となる。したがって低身長をきたさないのはマルファン症候群であり、これが設問の答えになる。

低身長を示す骨系統疾患は、成因ごとに束ねると混同しにくい。軟骨無形成症はFGFR3の機能獲得型変異で成長軟骨板の軟骨内骨化が抑えられ、上腕・大腿という四肢の近位が特に短くなる四肢短縮型低身長を示す(大きな頭、鼻根部の陥凹、三尖手)。モルキオ病はムコ多糖症IV型で、ケラタン硫酸が蓄積して脊椎の扁平化・変形を起こし、体幹短縮型の低身長となる。歯突起の低形成による環軸椎不安定を伴い頸髄症の危険があるため、頸部の急な操作は避けなければならない。偽性上皮小体機能低下症はPTH受容体以降のシグナル伝達不全で、PTHが高値なのに低カルシウム血症・高リン血症を示し、アルブライト遺伝性骨異栄養症として低身長・円形顔貌・第4/5中手骨の短縮を伴う。これに対しマルファン症候群は、フィブリリン1の異常で結合組織の支持性が失われ、高身長・くも状指・漏斗胸・側彎・水晶体亜脱臼・大動脈基部拡張や解離をきたす。骨格が細長く伸びる方向の疾患である点が、他の3つと真逆にあたる。

✓ 4. これが答え(低身長をきたさない)
マルファン(Marfan)症候群
フィブリリン1遺伝子の異常による結合組織疾患で、四肢と指が細長く伸びるため高身長・くも状指を示す。水晶体亜脱臼と大動脈基部拡張・解離が重要な合併症で、激しい運動や胸部への衝撃には注意が必要である。低身長にはならない。
✗ 1. 答えではない(低身長をきたす)
軟骨無形成症
FGFR3の機能獲得型変異で軟骨内骨化が障害され、四肢近位が短い四肢短縮型低身長の代表となる。頭部が相対的に大きく、鼻根部が陥凹し、手指は三尖手を呈する。
✗ 2. 答えではない(低身長をきたす)
モルキオ(Morquio) 病
ムコ多糖症IV型で、椎体の扁平化・変形により体幹短縮型低身長を示す。歯突起低形成による環軸椎不安定から頸髄症をきたしうるため、頸部の徒手操作は避け、専門医管理のもとで対応する。
✗ 3. 答えではない(低身長をきたす)
偽性上皮小体機能低下症
PTHへの標的臓器の反応性が低下する疾患で、低Ca・高P血症を示す。アルブライト遺伝性骨異栄養症として低身長、円形顔貌、第4・5中手骨の短縮を伴う。
ポイント
  • 否定形の設問。「低身長をきたさない」=マルファン症候群(高身長・くも状指)。
  • 四肢短縮型低身長の代表=軟骨無形成症(FGFR3変異、軟骨内骨化の障害)。
  • 体幹短縮型低身長=モルキオ病(ムコ多糖症IV型)。環軸椎不安定に注意。
  • 偽性上皮小体機能低下症=低Ca・高Pに加え低身長・円形顔貌・中手骨短縮。
  • マルファン症候群の要注意合併症は水晶体亜脱臼と大動脈基部拡張・解離。
比較表
疾患身長体型の特徴押さえる合併症
軟骨無形成症低身長四肢短縮型(上腕・大腿が短い)、三尖手大後頭孔狭窄、腰部脊柱管狭窄
モルキオ病低身長体幹短縮型、椎体扁平化、外反膝環軸椎不安定 → 頸髄症
偽性上皮小体機能低下症低身長円形顔貌、第4・5中手骨短縮低Ca血症(テタニー)、高P血症
マルファン症候群高身長細長い四肢、くも状指、漏斗胸、側彎水晶体亜脱臼、大動脈基部拡張・解離
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