学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §5 リハビリテーションの治療 / QJ32P019

理由で解く 柔道整復師

QJ32P019 リハビリテーション医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問19
問題
頸椎の固定性が高い装具の順番で正しいのはどれか。
選択肢
1 ハロー装具> 頸椎カラー> フィラデルフィアカラー
2 ハロー装具> フィラデルフィアカラー>頸椎カラー
3 フィラデルフィアカラー>ハロー装具>頸椎カラー
4 フィラデルフィアカラー>頸椎カラー>ハロー装具
解答
正解2(ハロー装具> フィラデルフィアカラー>頸椎カラー)
解説

頸椎装具の固定性は「素材の硬さ」と「力を受け止める範囲の広さ」で決まります。頭蓋骨に直接ピンで固定し体幹まで連結するハロー装具が最も強く、軟性の頸椎カラーが最も弱いという順序です。

頸椎は屈曲・伸展・側屈・回旋と自由度が大きく、外から動きを止めるには、頭部と体幹をどれだけ確実に結びつけられるかが鍵になります。軟性のソフトカラー(頸椎カラー)はウレタンなどの柔らかい材料でできており、頸部を動かさないよう本人に意識させることと保温が主目的で、力学的な固定力はごくわずかです。フィラデルフィアカラーは硬質のフォーム材でつくられた硬性装具で、下顎と後頭部を支点に、胸骨上部と上背部で荷重を受けるため、屈曲・伸展をよく制限します。ただし側屈と回旋の制御は十分ではありません。さらに金属支柱で体幹に固定するSOMIブレースなどはより強い制動が得られます。ハロー装具は頭蓋外板に複数のピンを刺してハローリングを直接固定し、支柱で体幹に装着したベストと連結するため、頭蓋と体幹が一体となって全方向の動きをほぼ完全に制御でき、外固定としては最も強力です。不安定型の頸椎骨折・脱臼や、術後の強固な外固定を要する場合に用いられます。装着中はピン刺入部の感染や緩み、皮膚トラブルの観察が欠かせません。

✗ 1. 誤り
ハロー装具> 頸椎カラー> フィラデルフィアカラー
ハロー装具を最上位に置いた点は正しいのですが、2位と3位が逆です。軟性の頸椎カラーが硬性のフィラデルフィアカラーより固定性が高いことはありません。素材が軟性か硬性かをまず見る、という手順で切れる選択肢です。
✓ 2. 正しい
ハロー装具> フィラデルフィアカラー>頸椎カラー
固定性の序列どおりです。ハロー装具は頭蓋にピンで直接固定して体幹ベストと連結するため全方向を制動し、フィラデルフィアカラーは硬性で下顎・後頭部と胸骨・上背部で支えて主に屈伸を制限し、軟性の頸椎カラーは運動の抑制を促す程度にとどまります。支持範囲が広く硬いほど強い、という一本の物差しで説明がつきます。
✗ 3. 誤り
フィラデルフィアカラー>ハロー装具>頸椎カラー
最も固定性が高いのはハロー装具です。フィラデルフィアカラーはあくまで頸部に巻いて下顎と後頭部を支えるカラーであり、頭蓋骨そのものを固定するハロー装具の制動力には及びません。
✗ 4. 誤り
フィラデルフィアカラー>頸椎カラー>ハロー装具
正しい順序を完全に逆向きにした並びです。最も強力なハロー装具を最下位に置いている点で明確に誤りと判断できます。
ポイント
  • 固定性の序列:ハロー装具 > SOMIブレース等の支柱付き装具 > フィラデルフィアカラー(硬性)> 頸椎カラー(軟性)
  • ハロー装具は頭蓋外板にピンで固定し体幹ベストと連結。全方向を制動し、不安定型骨折・術後に用いる
  • フィラデルフィアカラーは硬性で下顎・後頭部を胸骨・上背部で支持。屈伸の制限に優れ、回旋・側屈の制御は不十分
  • 軟性の頸椎カラー(ソフトカラー)は運動の抑制を意識づける・保温が主目的で力学的固定力は小さい
  • 固定性は「素材の硬さ」と「荷重を受ける支持範囲の広さ」で決まる。長期装用では筋力低下・皮膚障害に注意し、装着期間と離脱計画を確認する
比較表
装具素材・構造支持範囲固定性主な適応
ハロー装具頭蓋ピン+リング+支柱+体幹ベスト頭蓋〜体幹最も高い(全方向)不安定型頸椎骨折・脱臼、術後固定
SOMIブレース等金属支柱付き硬性下顎・後頭部〜胸郭高い比較的強い制動が必要な例
フィラデルフィアカラー硬性フォーム(2ピース)下顎・後頭部〜胸骨上部・上背部中等度(屈伸に有効)安定型損傷、術後の補助
頸椎カラー(ソフト)軟性(ウレタン等)頸部のみ低い頸椎捻挫、疼痛緩和、運動の抑制
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。