学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ32A085

理由で解く 柔道整復師

QJ32A085 生理学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問85
問題
頭部が左側に傾いた際に起こる姿勢反射で正しいのはどれか。
選択肢
1 左上肢は屈曲する。
2 左下肢は伸展する。
3 右上肢は伸展する。
4 右下肢は伸展する。
解答
正解2(左下肢は伸展する。)
解説

頸部の位置情報によって四肢の筋緊張が変わる反射を緊張性頸反射という。頭部を一側に傾けると、傾けた側(同側)の上下肢は伸展し、反対側の上下肢は屈曲する。頭部が左に傾けば左下肢は伸展する。

この反射の受容器は頸椎の椎間関節周囲や頸部深層筋にある固有受容器で、その情報が頸髄・脳幹(前庭核・網様体)へ送られ、網様体脊髄路や前庭脊髄路を介して四肢の伸筋・屈筋の緊張を左右非対称に調節する。意味づけとしては「頭が傾いた側に体を支える柱を立て、反対側は縮めて重心を戻す」という立ち直りの働きであり、頭部を回旋させたときに顔が向いた側の上下肢が伸展し後頭側が屈曲する非対称性緊張性頸反射(ATNR)と同じ方向性をもつ。乳児期には正常にみられ、成長とともに大脳皮質の抑制を受けて目立たなくなるが、脳障害があると再び現れる。試験では「傾けた側=伸展、反対側=屈曲」の一点を確実に押さえたい。

✓ 2. 正しい
左下肢は伸展する。
頭部が傾いた側(左)は上肢・下肢とも伸展する。左下肢が伸展して体を支える柱となり、傾いた重心を受け止める。
✗ 1. 誤り
左上肢は屈曲する。
左は頭部が傾いた側にあたるため、上肢も下肢と同じく伸展する。同側は上下肢そろって伸展すると覚えるとよい。
✗ 3. 誤り
右上肢は伸展する。
右は頭部が傾いた側の反対側なので屈曲する。左右で伸展・屈曲が入れ替わる非対称なパターンが、この反射の特徴である。
✗ 4. 誤り
右下肢は伸展する。
右下肢も反対側にあたるため屈曲する。伸展するのは左の上下肢である。
ポイント
  • 緊張性頸反射の原則:頭部を傾けた側=伸展、反対側=屈曲
  • 受容器は頸部の固有受容器。中枢は頸髄〜脳幹で、網様体脊髄路・前庭脊髄路が出力路。
  • 非対称性緊張性頸反射(ATNR)=頭部回旋で顔面側が伸展、後頭側が屈曲(同じ方向性)。
  • 対称性緊張性頸反射(STNR)=頸部前屈で上肢屈曲・下肢伸展、後屈でその逆。
  • 乳児期には正常反射。通常は成長とともに抑制され、脳障害では再出現しうる。
比較表
頭部の動き同側(顔・頭が向く側)対側
左へ傾ける(本問)左上肢・左下肢とも伸展右上肢・右下肢とも屈曲
右へ回旋(ATNR)右上下肢が伸展左上下肢が屈曲
前屈(STNR)上肢屈曲・下肢伸展
後屈(STNR)上肢伸展・下肢屈曲
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