学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §13 筋肉の機能 / QJ32A084

理由で解く 柔道整復師

QJ32A084 生理学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問84
問題
運動単位で正しいのはどれか。
選択肢
1 1つの運動単位は複数のα運動ニューロンを含む。
2 1つの運動単位は複数の筋線維を含む。
3 FF 型運動単位は発生する力が小さい。
4 S型運動単位は疲労しやすい。
解答
正解2(1つの運動単位は複数の筋線維を含む。)
解説

運動単位とは「1個のα運動ニューロンと、それが支配するすべての筋線維」をひとまとまりにした最小の機能単位である。したがって1つの運動単位に含まれるα運動ニューロンは1個、筋線維は複数となる。

1個のα運動ニューロンが何本の筋線維を支配するかを神経支配比といい、細かい調節が必要な外眼筋や手内在筋では十数本と小さく、大きな力を出す大腿四頭筋や腓腹筋では数百〜千本以上と大きい。同じ運動単位に属する筋線維は必ず同時に収縮するため、支配比が小さいほど細やかな力の調節ができる。筋力を高めるしくみは、発火頻度を上げる(頻度加重)ことと、動員する運動単位を増やす(動員)ことの2つである。動員には順序があり(サイズの原理)、小さく疲れにくいS型から始まり、必要に応じてFR型、最後に大きな力を出すFF型が加わる。

✓ 2. 正しい
1つの運動単位は複数の筋線維を含む。
1個のα運動ニューロンの軸索は末梢で多数に枝分かれし、複数の筋線維に終板を作る。支配される筋線維の数(神経支配比)は筋によって十数本から千本以上まで幅があるが、いずれも複数である。
✗ 1. 誤り
1つの運動単位は複数のα運動ニューロンを含む。
運動単位に含まれるα運動ニューロンは1個だけである。「ニューロンは1、筋線維は多数」という1対多の関係が運動単位の定義そのものなので、ここを取り違えないようにする。
✗ 3. 誤り
FF 型運動単位は発生する力が小さい。
FF型(fast fatigable:速筋・易疲労型)は太い運動ニューロンが多数の速筋線維を支配しており、発生する力は最も大きい。ただし解糖系に依存するため長く続かず、短時間の全力発揮で活躍する。
✗ 4. 誤り
S型運動単位は疲労しやすい。
S型(slow:遅筋・疲労耐性型)はミトコンドリアと毛細血管に富み酸化的代謝が主体で、疲労しにくい。姿勢保持など長時間の低強度の活動を担い、サイズの原理では最初に動員される。
ポイント
  • 運動単位=α運動ニューロン1個+支配するすべての筋線維(1対多)。
  • 神経支配比が小さい筋(外眼筋・手内在筋)ほど細かい力の調節ができる。
  • 筋力調節は頻度加重運動単位の動員の2本立て。
  • サイズの原理:小さいS型から大きいFF型へ、必ず小→大の順に動員される。
  • S型=力小・疲労しにくい/FF型=力大・疲労しやすい/FR型はその中間。
比較表
筋線維の性質発生張力疲労耐性動員順
S(遅筋型)赤筋・酸化的代謝小さい高い(疲れにくい)1番目
FR(速筋・疲労耐性型)中間型中程度中程度2番目
FF(速筋・易疲労型)白筋・解糖系優位大きい低い(疲れやすい)3番目
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