学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §13 筋肉の機能 / QJ32A081

理由で解く 柔道整復師

QJ32A081 生理学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問81
問題
筋細胞膜に発生した活動電位を筋細胞の深部に伝えるのはどれか。
選択肢
1 神経線維
2 横行小管
3 筋小胞体
4 ミトコンドリア
解答
正解2(横行小管)
解説

筋細胞膜(筋鞘)に生じた活動電位を筋線維の深部まで引き込むのは横行小管(T管)である。T管は筋鞘そのものが細胞内へ落ち込んでできた管なので、膜の電気信号をそのまま奥へ運べる。

骨格筋の興奮収縮連関は「筋鞘 → T管 → 筋小胞体からのCa²⁺放出 → トロポニンCへの結合 → アクチン・ミオシンの滑り込み」という一本道で進む。T管が筋小胞体の終末槽と両側から接する部分を三つ組(トライアド)といい、ここでT管膜の電位センサー(ジヒドロピリジン受容体)が脱分極を感知し、機械的に連結した筋小胞体膜のリアノジン受容体を開いてCa²⁺を細胞質へ放出する。この仕組みがあるおかげで、直径の太い筋線維でも表層と中心部がほぼ同時に収縮できる。役割を「電気を運ぶ管=T管」「Ca²⁺をためて放つ袋=筋小胞体」と分けて覚えると、この種の設問で迷わなくなる。

✓ 2. 正しい
横行小管
筋鞘が筋線維の内部へ陥入してできた管で、細胞膜の続きであるため活動電位をそのまま深部へ伝導できる。骨格筋ではA帯とI帯の境界の高さで走り、筋小胞体の終末槽と三つ組を形成して興奮を筋小胞体へ受け渡す。
✗ 1. 該当しない
神経線維
運動神経線維が活動電位を運ぶのは神経筋接合部(終板)までで、そこから先はアセチルコリンという化学信号に置き換わる。神経線維は筋細胞の外側で終わるため、筋線維の内部へ入り込むことはない。
✗ 3. 該当しない
筋小胞体
Ca²⁺を貯蔵・放出・再取り込みする滑面小胞体で、T管から興奮を「受け取る側」にあたる。電気信号を伝えるのではなくCa²⁺濃度を操作する装置であり、伝達の順序ではT管の次に位置づけられる。
✗ 4. 該当しない
ミトコンドリア
酸化的リン酸化によりATPを供給する細胞小器官で、収縮とCa²⁺ポンプの燃料を作る役割を担う。膜電位の伝導そのものには関与しない。
ポイント
  • 興奮収縮連関の順序:筋鞘 → T管 → 筋小胞体 → Ca²⁺放出 → トロポニンC → 収縮。
  • T管は筋鞘の陥入であり、細胞膜の続きだからこそ活動電位を深部へ運べる。
  • 三つ組=T管1本+両側の終末槽2つ(骨格筋)。心筋は二つ組(ダイアド)が主体。
  • T管膜のジヒドロピリジン受容体が電位を感知し、筋小胞体のリアノジン受容体を開く。
  • 弛緩はCa²⁺ポンプ(SERCA)による筋小胞体への回収で起こり、ATPを消費する。
比較表
構造正体主な役割
横行小管(T管)筋鞘の陥入(細胞膜の続き)活動電位を筋線維深部へ伝える
筋小胞体滑面小胞体Ca²⁺の貯蔵・放出・再取り込み
神経線維運動ニューロンの軸索終板まで興奮を運び、ACh放出で筋へ伝達
ミトコンドリア細胞小器官ATP産生(収縮・弛緩のエネルギー源)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。