学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ32A082

理由で解く 柔道整復師

QJ32A082 生理学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問82
問題
神経細胞の軸索を伝導する活動電位で正しいのはどれか。
選択肢
1 不応期はない。
2 全か無かの法則に従う。
3 隣接する別の軸索に伝わる。
4 軸索が細いほど速く伝わる。
解答
正解2(全か無かの法則に従う。)
解説

活動電位は、閾値を超えれば刺激の強さによらず常に一定の大きさで生じ、超えなければまったく生じません。この性質が全か無かの法則で、正答は2です。

静止膜電位の状態から刺激で脱分極が進み、閾値に達すると電位依存性ナトリウムチャネルが一斉に開いてナトリウムが流入し、スパイク状の活動電位が立ち上がります。この引き金は開くか開かないかの二択なので、刺激をいくら強くしてもスパイクの高さは変わりません。では強い刺激をどう表すかというと、発火の頻度(単位時間あたりの活動電位の数)で符号化されます。脱分極の最中はナトリウムチャネルが不活性化しており、どんな刺激にも応じない絶対不応期があり、続く相対不応期では通常より強い刺激なら発火します。この不応期があることで興奮の頻度に上限ができ、興奮が来た道を逆戻りしません。また軸索は髄鞘や周囲の組織液によって電気的に隔てられ、興奮が隣の軸索へ飛び移ることはありません(絶縁性伝導)。伝導速度は軸索が太いほど速く(内部抵抗が小さいため)、髄鞘があれば跳躍伝導でさらに速くなります。

✓ 2. 正しい
全か無かの法則に従う。
閾値を超えれば一定の大きさの活動電位が生じ、超えなければ生じません。刺激の強さは振幅ではなく発火の頻度で表されます。
✗ 1. 誤り
不応期はない。
ナトリウムチャネルの不活性化により絶対不応期があり、続いて相対不応期があります。これが興奮頻度の上限を決め、逆行性の伝導を防ぎます。
✗ 3. 誤り
隣接する別の軸索に伝わる。
軸索は電気的に隔てられており、隣の線維へは伝わりません(絶縁性伝導)。もし飛び移れば感覚も運動も混線してしまいます。
✗ 4. 誤り
軸索が細いほど速く伝わる。
逆で、太いほど内部抵抗が小さく速く伝わります。さらに髄鞘があると跳躍伝導となり、有髄で太いAα線維が最速です。
ポイント
  • 全か無かの法則:閾値を超えれば一定の振幅、超えなければ発生しない。刺激の強さは発火頻度で表す。
  • 不応期:絶対不応期(どんな刺激にも応じない)→相対不応期(強い刺激なら発火)。興奮頻度の上限を決め、逆行を防ぐ。
  • 神経線維の伝導三原則=絶縁性伝導・両側性伝導・不減衰伝導
  • 伝導速度は軸索が太いほど速い。有髄線維は跳躍伝導でさらに速い(Aα>Aβ>Aγ>Aδ>B>C)。
  • 立ち上がりはNa流入、再分極はK流出。イオンの動きと波形を対応させて理解する。
比較表
選択肢の主張実際理由
不応期はない絶対不応期・相対不応期があるNaチャネルの不活性化
全か無かの法則に従うそのとおり閾値を超えるとチャネルが一斉に開く
隣接する別の軸索に伝わる伝わらない絶縁性伝導
細いほど速く伝わる太いほど速い内部抵抗が小さい。有髄なら跳躍伝導
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