学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ32A083

理由で解く 柔道整復師

QJ32A083 生理学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問83
問題
ブローカ野で正しいのはどれか。
選択肢
1 側頭葉に位置する。
2 音の意味の理解に関わる。
3 運動性皮質に情報を出力する。
4 損傷すると黙読が障害される。
解答
正解3(運動性皮質に情報を出力する。)
解説

ブローカ野は前頭葉の下前頭回(弁蓋部・三角部)にある運動性言語中枢で、多くは左半球に位置する。言語のプランを一次運動野(顔面・口唇・舌・喉頭の領域)へ送り出すのが役割である。

言語に関わる2大領域は、「聞いて分かる」ウェルニッケ野(側頭葉上側頭回後部=感覚性言語中枢)と、「組み立てて話す」ブローカ野(前頭葉=運動性言語中枢)に分けられる。両者は弓状束で連絡し、ウェルニッケ野で理解・選択された語がブローカ野で発話プログラムに変換され、そこから運動性皮質を経て構音筋へ指令が下る。ブローカ野が障害されると、言われた内容は理解できるのに言葉が出にくい非流暢性の運動性失語(ブローカ失語)となり、努力性・電文体の発話や復唱の障害がみられる。一方ウェルニッケ野の障害では、流暢に話すのに意味が通らず理解も悪い感覚性失語となる。「前は出す(運動)、後ろは分かる(感覚)」と場所と機能を結びつけて覚えるとよい。

✓ 3. 正しい
運動性皮質に情報を出力する。
ブローカ野は発話に必要な語や音のプログラムを組み立て、その指令を隣接する一次運動野の顔面・口唇・舌・咽喉頭領域へ送る。ここから錐体路を介して構音・発声にかかわる筋が動かされる。
✗ 1. 誤り
側頭葉に位置する。
ブローカ野があるのは前頭葉の下前頭回である。側頭葉(上側頭回後部)に位置するのはウェルニッケ野であり、2つの場所を取り違えないよう、脳の外側面で「前=ブローカ」「後ろ=ウェルニッケ」と押さえておく。
✗ 2. 誤り
音の意味の理解に関わる。
聞こえた言葉の意味を読み解くのはウェルニッケ野の働きである。音そのものを受け取るのは側頭葉の一次聴覚野(横側頭回)で、その情報が周囲の聴覚連合野・ウェルニッケ野で言語として解釈される。
✗ 4. 誤り
損傷すると黙読が障害される。
ブローカ野の損傷でまず目立つのは発話(自発話・音読・復唱)の障害であり、黙って文章を読んで意味をとる能力は比較的保たれる。理解面が強く障害されるのはウェルニッケ野の損傷であり、「話せないが分かる」のがブローカ失語の典型像と押さえておく。
ポイント
  • ブローカ野=前頭葉下前頭回・運動性言語中枢。多くは左半球(優位半球)にある。
  • 出力先は一次運動野の顔面・口唇・舌・喉頭領域 → 錐体路 → 構音筋。
  • ブローカ失語=非流暢・努力性・電文体、復唱障害。理解は比較的良好
  • ウェルニッケ野=側頭葉上側頭回後部・感覚性言語中枢。障害では流暢だが理解不良。
  • 両者は弓状束で連結し、ここが切れると伝導失語(復唱が選択的に障害)となる。
比較表
ブローカ野ウェルニッケ野
部位前頭葉・下前頭回側頭葉・上側頭回後部
機能運動性言語中枢(話す準備)感覚性言語中枢(意味の理解)
主な出力・入力一次運動野へ出力聴覚連合野から入力
障害時の発話非流暢・努力性流暢だが内容が乏しい
障害時の理解比較的保たれる強く障害される
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