学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 生理学 ▸ §14 感覚の生理 / QJ32A086
理由で解く 柔道整復師
頭部の「回転(角加速度)」をとらえる受容器は半規管です。頭が直立位のときの水平方向の回転は、主に外側(水平)半規管が担当します。
内耳の前庭器は、半規管と耳石器(卵形嚢・球形嚢)の2系統に分かれます。半規管は、骨半規管の中に膜半規管が納まった二重構造で、膜半規管の中は内リンパ、骨半規管との間の隙間は外リンパで満たされます。膜半規管のふくらんだ部分(膨大部)には、有毛細胞をのせた感覚上皮の隆起である膨大部稜があり、有毛細胞から伸びる感覚毛は、その上を覆うゼラチン様のクプラの中に埋まっています。つまり膨大部稜=感覚上皮、クプラ=その上にかぶさるゼラチン質の帽子であり、両者は別の構造です。膜半規管内の内リンパが動くとクプラが傾き、中に埋まった感覚毛がたわんで有毛細胞が興奮します。回転が始まった瞬間は、内リンパが慣性でその場に取り残されるため管との間に相対的な流れが生じ、クプラが傾いて発火頻度が変わります。逆に同じ速さの回転が続くと内リンパも管と一緒に回ってしまい流れが消えるので、応答は減衰します。つまり半規管は「回り続けていること」ではなく「回り始め・回り終わり=角加速度」に応答する受容器です。一方の耳石器は平衡砂(耳石)の重みを利用するため、重力の向き(頭位)と直線加速度を検出します。設問の「回転の開始に応答する」という表現が、半規管を指す決め手になります。
| 受容器 | 存在部位 | 適刺激 | 直立位での代表的な場面 |
|---|---|---|---|
| 半規管の膨大部稜(感覚上皮)+クプラ(ゼラチン質) | 骨半規管の中にある膜半規管(膜迷路)の膨大部。内部は内リンパ | 角加速度(回転の開始・停止) | その場で首を左右に振り向く、体ごと回り始める |
| 卵形嚢の平衡斑(+耳石) | 骨迷路の前庭内にある膜迷路(卵形嚢)。内部は内リンパ | 水平方向の直線加速度、頭部の傾き | 電車の発進・停車、前後左右への加速 |
| 球形嚢の平衡斑(+耳石) | 骨迷路の前庭内にある膜迷路(球形嚢)。内部は内リンパ | 垂直方向の直線加速度、頭部の傾き | エレベーターの上昇・下降 |
| コルチ器(ラセン器) | 膜迷路である蝸牛管の基底板上。内部は内リンパ | 音(基底板の振動) | 音の聞き取り(平衡覚には無関係) |
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