学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §6 柔道整復師と国民医療費 / QJ32A041

理由で解く 柔道整復師

QJ32A041 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問41
問題
柔道整復師の療養費受領委任で誤っているのはどれか。
選択肢
1 法令を遵守する。
2 被保険者証を確認する。
3 領収書を有償で交付する。
4 インフォームド・コンセントを実践する。
解答
正解3(領収書を有償で交付する。)
解説

受領委任は、患者が本来受け取るはずの療養費を、柔道整復師が代わりに受け取る仕組みです。お金を預かる立場だからこそ患者保護のルールが細かく決められており、領収証を「無償で」交付することはその代表格です。

柔道整復の療養費は、制度上は償還払い(患者がいったん全額を支払い、後から保険者に請求して払い戻しを受ける)が原則です。受領委任はその請求と受領を施術者に委任する特別な取扱いで、施術管理者が地方厚生(支)局長および都道府県知事と協定または契約を結んではじめて使えます。委任を受ける以上、法令・取扱規程を守ること、被保険者証等で受給資格を確認すること、負傷原因を聴き取って施術録に残すこと、施術内容と費用を説明して同意を得ること、一部負担金を受け取ったら正当な理由がない限り領収証を無償で交付することが、まとめて義務として課されます。設問はこの中で「誤っているもの」を選ぶ形なので、無償/有償の一語が答えを分けます。

✓ 3. 誤り(これが答え)
領収書を有償で交付する。
受領委任の取扱規程では、一部負担金の支払いを受けたときは、正当な理由がない限り領収証を無償で交付しなければならないと定められています。発行手数料をとることは規程違反です。窓口では、施術年月日・施術内容・金額がわかる領収証を無料で手渡し、患者から求めがあれば明細書についても取扱いに沿って交付します。
✗ 1. 正しい(答えではない)
法令を遵守する。
協定・契約の第一の柱が法令遵守です。療養費の支給対象は外傷性が明らかな骨折・脱臼・打撲・捻挫(関節等の可動域を超えた捻れや外力によって組織が損傷を受けた状態で、慢性に至っていないもの)に限られ、内科的原因による疾患、単なる肩こりや筋肉疲労、慰安目的の施術は対象外です。対象外のものを請求しないことも法令遵守に含まれます。
✗ 2. 正しい(答えではない)
被保険者証を確認する。
保険者・記号番号・負担割合・有効期限を確かめてから施術録に記載します。資格を確認しないまま請求すると返戻や過誤の原因になり、患者にも不利益が及びます。
✗ 4. 正しい(答えではない)
インフォームド・コンセントを実践する。
負傷の状態、行う施術、見込まれる期間と費用を説明し、患者の同意を得たうえで進めます。長期にわたる場合や多部位にわたる場合の同意など、書面で確認すべき場面もあります。
ポイント
  • 療養費の原則は償還払い。受領委任は協定・契約を結んだ施術管理者だけが使える特別な取扱い。
  • 一部負担金を受け取ったら、正当な理由がない限り領収証は無償交付。手数料をとらない。
  • 受給資格の確認(被保険者証等)と負傷原因の聴取・記録はセットで必須。
  • 説明と同意(インフォームド・コンセント)は施術前に。費用も説明対象。
  • 療養費の支給対象は外傷性が明らかな骨折・脱臼・打撲・捻挫。骨折・脱臼は応急手当を除き医師の同意が必要。
比較表
償還払い受領委任払い
窓口での支払い全額(10割)一部負担金のみ
保険者への請求者患者本人施術管理者(委任を受けて)
必要な手続き患者が申請書と領収証を提出地方厚生(支)局長・都道府県知事との協定/契約
患者の負担感立替えが必要で重い軽い(その分ルールが厳格)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。