学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §18 肩関節烏口下脱臼の固定 / QJ32A019

理由で解く 柔道整復師

QJ32A019 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問19
問題
高齢者の肩関節前方脱臼の固定期間はどれか。
選択肢
1 3週
2 6週
3 9 週
4 12週
解答
正解1(3週)
解説

脱臼の固定期間は「再脱臼を防ぐ」と「拘縮を防ぐ」のバランスで決まります。高齢者は拘縮のリスクが大きいため短期にとどめ、選択肢の中では3週が妥当です。

肩関節前方脱臼では、関節唇や関節包が損傷(バンカート損傷)し、これが治らないまま活動を再開すると再脱臼を繰り返します。若年者は活動性が高く再脱臼から反復性脱臼へ移行しやすいため、3〜4週程度しっかり固定して修復を待ちます。一方、高齢者は組織の弾性が低いぶん再脱臼は起こしにくく、むしろ短期間の固定でも肩が固まり(拘縮性肩関節症、いわゆる凍結肩)、可動域が戻らなくなるリスクのほうが大きくなります。そのため固定は必要最小限にとどめ、疼痛が軽減し次第、振り子運動などの自動運動を早期に開始して可動域を保ちます。選択肢の中では最も短い3週が答えになります。また高齢者の脱臼では腱板断裂の合併が多いため、固定解除後に外転力が戻らない場合は医師への紹介を検討します。

✓ 1. 正しい
3週
高齢者では再脱臼より拘縮が問題になるため、固定は短期にとどめます。選択肢の中で最も短い3週が妥当で、以後は疼痛に応じて自動運動を進めます。
✗ 2. 誤り
6週
高齢者に6週の固定を行うと、肩関節の拘縮が進んで可動域の回復が困難になります。若年者でも通常この長さは要しません。
✗ 3. 誤り
9 週
長すぎます。得られる再脱臼予防の効果より、拘縮と筋萎縮による機能低下の不利益が上回ります。
✗ 4. 誤り
12週
骨折ではなく脱臼であり、これほどの固定期間は必要ありません。高齢者では重度の凍結肩を招きます。
ポイント
  • 固定期間は「再脱臼予防」と「拘縮予防」のバランスで決める。
  • 若年者=再脱臼リスク高(バンカート損傷→反復性脱臼)。3〜4週しっかり固定。
  • 高齢者=再脱臼リスク低、拘縮リスク高。固定は短期にとどめる。
  • 疼痛が落ち着いたら振り子運動などの自動運動を早期に開始する。
  • 高齢者では腱板断裂の合併が多い。外転力が戻らなければ医師へ紹介する。
比較表
若年者高齢者
再脱臼のリスク高い(反復性脱臼へ移行)低い
拘縮のリスク低い高い(凍結肩)
固定期間の考え方3〜4週しっかり固定短期にとどめる(本問では3週)
固定解除後段階的に運動を進める早期に自動運動を開始
注意する合併症関節唇損傷(バンカート)腱板断裂、腋窩神経麻痺
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。