学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §15 肩鎖関節上方脱臼の診察および整復 / QJ32A016

理由で解く 柔道整復師

QJ32A016 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問16
問題
肩鎖関節上方脱臼で誤っているのはどれか。
選択肢
1 高齢者に好発する。
2 トッシー分類がある。
3 直達外力による発生が多い。
4 鎖骨遠位端が上方に転位する。
解答
正解1(高齢者に好発する。)
解説

肩鎖関節上方脱臼はコンタクトスポーツや転倒による直達外力で起こり、青壮年男性に好発します。高齢者に好発するという記述が誤りです。

肩鎖関節上方脱臼は、転倒して肩峰部を直接打つ、ラグビーや柔道などで肩から倒れるといった直達外力によって発生します。したがって活動性の高い青壮年、とくに男性に多く、高齢者に特徴的な外傷ではありません(高齢者が転倒した場合は上腕骨外科頸骨折や橈骨遠位端骨折が起こりやすい)。損傷は肩鎖靱帯から始まり、力が大きいと烏口鎖骨靱帯(菱形靱帯・円錐靱帯)まで断裂します。外見上は鎖骨遠位端が上方へ飛び出して見えますが、実際には肩甲骨と上肢が重力で下方へ落ちることで相対的にそう見えるものです。完全脱臼(Tossy III型)では、突出した鎖骨遠位端を上から押すと沈み、手を離すと元に戻るピアノキー症状が特徴となります。程度の評価にはトッシー(Tossy)分類、より細かくはロックウッド(Rockwood)分類を用います。

✓ 1. これが誤り(正解)
高齢者に好発する。
好発するのはスポーツ活動の盛んな青壮年男性です。高齢者が肩を打って受傷した場合は、上腕骨外科頸骨折など骨の脆弱性に関連する外傷を先に考えます。
✗ 2. 内容は正しい(答えではない)
トッシー分類がある。
損傷の程度をI〜III型で評価するトッシー分類が用いられます。さらに細かく分けるロックウッド分類もあります。
✗ 3. 内容は正しい(答えではない)
直達外力による発生が多い。
転倒やコンタクトプレーで肩峰部を直接打つ直達外力での発生が多数を占めます。
✗ 4. 内容は正しい(答えではない)
鎖骨遠位端が上方に転位する。
見かけ上、鎖骨遠位端が上方に突出します(実際には肩甲骨と上肢が下方へ落ちるための相対的な転位)。完全脱臼ではピアノキー症状を伴います。
ポイント
  • 好発は青壮年男性。コンタクトスポーツや転倒による直達外力で発生。
  • 損傷順序は 肩鎖靱帯 → 烏口鎖骨靱帯(菱形靱帯・円錐靱帯)。
  • 鎖骨遠位端が上方に突出して見えるのは、肩甲骨と上肢が下方へ落ちるため。
  • 完全脱臼ではピアノキー症状(押すと沈み、離すと戻る)が陽性。
  • 評価にはトッシー分類(I〜III型)、詳細にはロックウッド分類。
比較表
トッシー分類靱帯損傷転位・所見
I型肩鎖靱帯の部分損傷(捻挫)転位なし。圧痛のみ
II型肩鎖靱帯断裂+烏口鎖骨靱帯の部分損傷亜脱臼。鎖骨遠位端がやや上方へ
III型肩鎖靱帯・烏口鎖骨靱帯とも断裂完全脱臼。ピアノキー症状陽性
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