学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §15 肩鎖関節上方脱臼の診察および整復 / QJ31A013

理由で解く 柔道整復師

QJ31A013 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問13
問題
肩鎖関節上方脱臼の症状で正しいのはどれか。
選択肢
1 肩峰部が階段状に突出する。
2 肩関節の外転運動が制限される。
3 不全脱臼では変形はみられない。
4 完全脱臼ではピアノキー症状がみられない。
解答
正解2(肩関節の外転運動が制限される。)
解説

肩鎖関節上方脱臼では疼痛と支持性の低下により、肩関節の外転(挙上)運動が制限される。

肩鎖関節上方脱臼は、肩の外側を強打して肩甲骨と上肢が下方へ押し下げられ、肩鎖靱帯・烏口鎖骨靱帯が損傷することで生じる。鎖骨側が上がるのではなく肩峰側が下がるため、結果として鎖骨遠位端が相対的に上方へ突出し、階段状変形としてみえる。突出部を押し下げると戻り、手を離すと再び突出するピアノキー症状(弾発性)は完全脱臼で陽性となる。損傷の程度により、捻挫(変形なし)、不全脱臼(軽度の変形)、完全脱臼(明瞭な変形とピアノキー症状陽性)に分けられ、いずれも疼痛のため外転・挙上が制限される。

✓ 2. 正しい
肩関節の外転運動が制限される。
肩鎖関節は上肢挙上時に鎖骨の回旋と連動して動くため、損傷すると疼痛と支持性低下により外転・挙上が制限される。
✗ 1. 誤り
肩峰部が階段状に突出する。
階段状に突出するのは鎖骨遠位端。肩峰は上肢の重みで下方へ落ち込む側であり、突出する側ではない。
✗ 3. 誤り
不全脱臼では変形はみられない。
不全脱臼でも軽度の階段状変形を認める。変形がみられないのは捻挫(第1度)の段階。
✗ 4. 誤り
完全脱臼ではピアノキー症状がみられない。
ピアノキー症状は完全脱臼でこそ明瞭に陽性となる所見。反対の記述になっている。
ポイント
  • 受傷機序は肩外側からの打撲で肩甲骨・上肢が下方へ押し下げられること。
  • 突出するのは鎖骨遠位端。肩峰は下がる側。
  • ピアノキー症状(弾発性)は完全脱臼で陽性。
  • 捻挫=変形なし、不全脱臼=軽度の変形、完全脱臼=明瞭な変形。
  • いずれも疼痛により肩関節の外転・挙上が制限される。
比較表
程度靱帯損傷変形ピアノキー症状
捻挫(第1度)肩鎖靱帯の部分損傷なし陰性
不全脱臼(第2度)肩鎖靱帯断裂+烏口鎖骨靱帯の部分損傷軽度の階段状変形陰性〜不明瞭
完全脱臼(第3度)肩鎖靱帯・烏口鎖骨靱帯とも断裂明瞭な階段状変形陽性
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