学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §16 肩鎖関節上方脱臼の固定 / QJ32A017

理由で解く 柔道整復師

QJ32A017 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問17
問題
肩鎖関節脱臼に対するロバート・ジョーンズ絆創膏固定法で誤っているのはどれか。
選択肢
1 患者の姿勢は整復位とする。
2 第1帯は鎖骨外端部を圧迫する。
3 第2帯は背部から貼付する。
4 皮膚のかぶれに注意する。
解答
正解3(第2帯は背部から貼付する。)
解説

ロバート・ジョーンズ絆創膏固定法は「鎖骨外端を上から押し下げ、肘を下から突き上げる」整復位を絆創膏で保つ方法です。第2帯は上腕を輪状に取り巻く帯で、背部から貼るものではありません。

肩鎖関節脱臼の整復は、上方へ突出した鎖骨遠位端を上から押し下げると同時に、肘を下から突き上げて肩甲骨と上肢を持ち上げることで達成されます。この二方向の力を絆創膏で肩代わりさせるのが第1帯で、患側の上腕遠位(肘部)から起こして鎖骨外端部(肩鎖関節部)の上を通す縦方向の帯として貼り、鎖骨外端を圧迫しながら肘を挙上する形をつくります。第2帯は上腕を輪状に取り巻いて第1帯がずれるのを防ぐ帯であり、走行の起点は上腕であって背部ではありません。固定は数週間に及ぶため、絆創膏によるかぶれ・水疱・掻痒が起こりやすく、貼付前に皮膚の状態を確認し、必要なら下巻きを入れる、こまめに貼り替える、皮膚保護材を用いるといった対応をとります。手指のしびれや腫脹があれば締めすぎを疑い、その場で巻き直します。

✓ 3. これが誤り(正解)
第2帯は背部から貼付する。
第2帯は上腕を輪状に取り巻き、第1帯が上下にずれないよう押さえる帯です。背部から貼り始めるという走行は当てはまりません。鎖骨外端を圧迫し肘を突き上げる主役はあくまで第1帯です。
✗ 1. 内容は正しい(答えではない)
患者の姿勢は整復位とする。
絆創膏は整復位を「保つ」ためのものなので、貼付は整復位を作った状態で行います。転位したまま貼っても固定の意味がありません。
✗ 2. 内容は正しい(答えではない)
第1帯は鎖骨外端部を圧迫する。
第1帯が上方に突出した鎖骨外端を上から押さえ、同時に肘を下から持ち上げます。この固定法の中心となる働きです。
✗ 4. 内容は正しい(答えではない)
皮膚のかぶれに注意する。
長期間の絆創膏固定では皮膚障害が起こりやすいため、毎回の観察と、下巻きや貼り替えによる対応が必要です。
ポイント
  • 整復の原理は「鎖骨外端を上から押し下げる」+「肘を下から突き上げる」の2方向。
  • 第1帯=肘部から鎖骨外端部の上を通す縦の帯。上の力と下の力を同時に生む主固定帯。
  • 第2帯=上腕を輪状に取り巻き、第1帯のずれを防ぐ。
  • 貼付は必ず整復位で行う。転位位のまま貼っても保持にならない。
  • 長期固定のため、皮膚障害と手指の循環・しびれを毎回確認し、下巻きや貼り替えで対応する。
比較表
走行の要点目的
第1帯患側肘部から鎖骨外端部(肩鎖関節部)の上を通す縦の帯鎖骨外端を上から圧迫し、肘を下から突き上げる
第2帯上腕を輪状に取り巻く第1帯のずれを防ぎ、位置を保つ
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