学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §14 肋骨骨折の固定 / QJ32A015

理由で解く 柔道整復師

QJ32A015 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問15
問題
肋骨骨折に対する屋根瓦状絆創膏固定で正しいのはどれか。
選択肢
1 側臥位で貼付する。
2 最大吸気時に貼付する。
3 正中線を越えて貼付する。
4 上位から下位に貼付する。
解答
正解3(正中線を越えて貼付する。)
解説

屋根瓦状絆創膏固定は、坐位・最大呼気時に、後方から前正中線を越えるまで、下位から上位へ重ねて貼ります。正しいのは「正中線を越えて貼付する」です。

肋骨骨折の固定は、呼吸のたびに骨折部が動いて痛むのを抑えることが目的です。患者は坐位(または立位)とし、胸郭が最も小さくなる最大呼気時に絆創膏を貼ります。呼気位で貼っておくと、続く吸気で胸郭が広がろうとしても絆創膏が抵抗となり、骨折部の動揺が抑えられます。逆に最大吸気時に貼ると、呼気で胸郭が縮んだときに絆創膏が緩み、固定として働きません。貼付範囲は骨折部を十分に含むよう、後方(後正中線付近)から前正中線を越えるところまでとし、下位肋骨側から上位へ、幅の1/2〜1/3ずつ重ねて屋根瓦のように貼り上げます。固定後は皮膚のかぶれ、息苦しさ、呼吸音の変化を確認し、深呼吸や咳を過度に我慢すると無気肺や肺炎につながるため、痛みの少ない範囲で深呼吸と喀痰を促します。呼吸困難や皮下気腫があれば血気胸を疑い、速やかに医師へ紹介します。

✓ 3. 正しい
正中線を越えて貼付する。
絆創膏は骨折部を十分に含む長さが必要で、後方から前正中線を越えるところまで貼ります。途中で止めると固定力が不足し、端が浮いて剥がれやすくなります。
✗ 1. 誤り
側臥位で貼付する。
坐位(または立位)で行います。側臥位では胸郭が押しつぶされて左右差が生じ、呼気位を正確にとらえられません。
✗ 2. 誤り
最大吸気時に貼付する。
最大呼気時に貼ります。胸郭が最も縮んだ状態で固定してこそ、その後の吸気に対する抵抗となって骨折部の動揺を抑えられます。
✗ 4. 誤り
上位から下位に貼付する。
下位から上位へ貼り上げます。屋根瓦のように上の帯が下の帯にかぶさる並びになることで、剥がれにくく固定力が保てます。
ポイント
  • 目的は疼痛の軽減と、呼吸による骨折部の動揺の抑制。
  • 体位は坐位(立位)、タイミングは最大呼気時
  • 範囲は後方から前正中線を越えるまで。
  • 順序は下位から上位へ、幅の1/2〜1/3ずつ重ねる。
  • 固定後は深呼吸・喀痰を痛みの範囲で促し、呼吸困難や皮下気腫があれば血気胸を疑って医師へ紹介する。
比較表
項目正しい方法理由
体位坐位(または立位)胸郭を左右対称に保ち、呼気位を正確にとらえられる
タイミング最大呼気時胸郭が最小の状態で固定すると吸気の抵抗になる
範囲後方から前正中線を越えるまで骨折部を十分に含み、端が浮かない
順序下位から上位へ、1/2〜1/3ずつ重ねる屋根瓦状に重なり剥がれにくい
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