学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §13 第5中手骨頸部骨折の固定 / QJ32A014
理由で解く 柔道整復師
手を長期間固定するときは、固定を解いたあとの機能が最も残りやすい良肢位(機能肢位)に置きます。DIP関節は軽度屈曲位が正解で、手関節掌屈位・PIP完全伸展位・MP関節90度の深屈曲は避けます。
手の固定の基本は良肢位(機能肢位)です。手関節は軽度背屈位、MP関節は屈曲位、PIP・DIP関節は軽度屈曲位とします。この肢位が選ばれるのは、固定を解いたときにそのままの角度でも物を握れる、つまり日常の把持動作にすぐつながるからです。IP関節(PIP・DIP)を軽度屈曲位とする理由も、側副靱帯の緊張ではなく、この把持機能を保つためだと理解してください(IP関節の側副靱帯はむしろ伸展位で最も緊張し、屈曲位で長期に固定すると掌側板が短縮して屈曲拘縮を生じます)。一方、MP関節の側副靱帯はカム機構によって屈曲位で最も伸張されるため、MP関節を屈曲位で固定することは靱帯の短縮予防という点でも理にかなっています。なお、靱帯の拘縮予防を最優先にした肢位は安全肢位(intrinsic plus position)と呼ばれ、手関節背屈20〜30度・MP関節屈曲70〜90度・IP関節は伸展位(0〜10度)とされます。IP関節の扱いが本問の良肢位とは異なるので、両者は別概念として区別しておきましょう。第5中手骨頸部骨折(いわゆるボクサー骨折)では遠位骨片が掌側へ屈曲転位するため、MP関節を屈曲させ基節骨を介して骨頭を背側へ押し戻す形で保持します。ただし90度まで深く屈曲させると背側の皮膚・軟部組織が過度に緊張し、圧迫による皮膚障害や関節拘縮を招くため、実際にはおよそ60〜70度の屈曲位にとどめます。固定後は指の回旋変形(爪の向きがそろっているか、屈曲させたとき指が交差しないか)を確認し、ずれていれば固定をやり直します。
| 部位 | 良肢位(機能肢位)での固定の目安 | 避けたい肢位 |
|---|---|---|
| 手関節 | 軽度背屈位 | 掌屈位 |
| MP関節 | 屈曲位(およそ60〜70度) | 伸展位/90度の深屈曲 |
| PIP関節 | 軽度屈曲位 | 完全伸展位 |
| DIP関節 | 軽度屈曲位 | 過伸展位 |
| (参考)安全肢位=intrinsic plus position | 手関節背屈20〜30度・MP関節屈曲70〜90度・IP関節は伸展位(0〜10度)。IP関節の扱いが良肢位と異なる別概念 | |
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