学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §12 コーレス(Colles)骨折の固定 / QJ32A013

理由で解く 柔道整復師

QJ32A013 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問13
問題
コーレス (Colles)骨折固定後にまず確認するのはどれか。
選択肢
1 肩関節は外転できるか。
2 筋皮神経領域に感覚異常はないか。
3 手関節部で橈骨動脈の拍動は触れるか。
4 MP 関節の運動が制限されてないか。
解答
正解4(MP 関節の運動が制限されてないか。)
解説

コーレス骨折の固定は中手骨頭の手前までにとどめ、MP関節から先は自由に動かせるようにします。固定を終えたら、まずMP関節が動くかを確認します。

コーレス骨折の固定範囲は前腕遠位から手部までですが、遠位端が中手骨頭を越えると手指のMP関節が動かせなくなります。MP関節は側副靱帯の解剖上、伸展位で長く動かさずにいると靱帯が短縮して伸展拘縮を起こし、握りが戻らなくなります。高齢者では数日でも拘縮が進むため、固定直後に「握れますか」と確認し、MP関節の屈曲が妨げられていないかを術者自身の目で確かめることが最優先になります。あわせて、手指の色調・冷感・腫脹・しびれといった循環と神経の状態を確認し、正中神経領域(母指〜環指橈側)のしびれが強まる場合は手根管部の圧迫を疑います。最後に、帰宅後に指の色が変わる、しびれが増す、痛みが強まるといった変化があればすぐ連絡するよう伝え、連絡先を渡しておきます。手指の自動運動と肩の運動は拘縮予防のため、その日から続けてもらいます。

✓ 4. 正しい
MP 関節の運動が制限されてないか。
固定材料が中手骨頭を越えていないかを確かめる項目です。MP関節が動かせないまま経過すると伸展拘縮を生じ、握力と巧緻動作の回復が大きく遅れます。固定直後に修正できる、最も取り返しのつく確認事項です。
✗ 1. 誤り
肩関節は外転できるか。
三角巾で吊る場合、肩の拘縮予防として運動指導は欠かせませんが、固定した部位から離れており、固定直後にまず確かめる項目ではありません。
✗ 2. 誤り
筋皮神経領域に感覚異常はないか。
コーレス骨折で問題になるのは正中神経(手根管部の圧迫)です。筋皮神経は上腕二頭筋などを支配し、皮枝は前腕外側の感覚を担うため、この骨折の固定で狙って診る神経ではありません。
✗ 3. 誤り
手関節部で橈骨動脈の拍動は触れるか。
循環の確認自体は必須ですが、手関節部は副子や包帯に覆われていて拍動を触れにくい部位です。実際には手指の色調、爪床の色の戻り、冷感、腫脹で末梢循環を判断します。
ポイント
  • コーレス骨折の固定範囲は前腕遠位から中手骨頭の手前まで。MP関節から先は動かせるようにする。
  • MP関節を動かさないと側副靱帯が短縮し伸展拘縮を生じる。
  • 循環の確認は手指の色調・爪床の色の戻り・冷感・腫脹で行う(手関節部の拍動は触れにくい)。
  • 神経の確認は正中神経領域(母指〜環指橈側)のしびれ。筋皮神経ではない。
  • 帰宅前に、悪化時の連絡方法と手指・肩の自動運動を必ず説明する。
比較表
確認項目見るポイント
MP関節から先が動くか固定材料が中手骨頭を越えていないか。握りができるか
循環手指の色調、爪床の色の戻り、冷感、腫脹
神経正中神経領域(母指〜環指橈側)のしびれ・感覚低下
固定肢位手関節軽度掌屈・尺屈位が保たれているか
指導手指と肩の自動運動、悪化時の連絡先
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