学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §11 コーレス(Colles)骨折の診察および整復 / QJ32A012
理由で解く 柔道整復師
コーレス骨折の短縮転位を引き戻してしまう主役は腕橈骨筋です。屈曲整復法では、肘関節を屈曲させてこの筋を弛緩させてから整復操作に入ります。
コーレス骨折では、遠位骨片が背側・橈側へ転位し、同時に短縮します。この短縮を保ち続けてしまうのが腕橈骨筋で、上腕骨外側顆上稜から起こって橈骨茎状突起、つまり遠位骨片そのものに停止します。緊張したままだと遠位骨片が近位へ引き寄せられ、末梢を牽引しても長さが戻りません。そこで屈曲整復法では、まず肘関節を屈曲させます。腕橈骨筋は上腕骨の遠位外側から起こるため、肘を曲げると起始と停止が近づき、筋の緊張が解けます。これに続いて前腕を回内位にとりますが、こちらは腕橈骨筋を弛緩させるための操作ではありません。腕橈骨筋は回内位からは回外方向に働く筋なので、前腕回内ではむしろ伸張されます。前腕回内位は遠位骨片の回外転位を矯正するための操作であり、肘屈曲(=弛緩)とは目的が別だと分けて理解しておきましょう。緊張を解いたうえで、遠位骨片をいったん背屈方向へ誘導して嵌入を解き、掌屈・尺屈させながら整復位に導きます。筋の起始と停止を思い浮かべ、「どの肢位にすればこの筋がたるむか」を考える習慣をつけると、整復肢位の理由が丸暗記でなく理解になります。
| 筋 | 起始 → 停止 | コーレス骨折との関係 |
|---|---|---|
| 腕橈骨筋 | 上腕骨外側顆上稜 → 橈骨茎状突起 | 遠位骨片を近位へ引き短縮転位を保持。肘屈曲位で弛緩させる |
| 方形回内筋 | 尺骨遠位掌側 → 橈骨遠位掌側 | 骨折部の掌側を横切る深層筋 |
| 円回内筋 | 上腕骨内側上顆・尺骨鈎状突起 → 橈骨中央外側面 | 停止が骨折部より近位で短縮に関与しない |
| 長母指伸筋 | 尺骨背側 → 母指末節骨 | 腱がリスター結節を回る。遅発性腱断裂の合併 |
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