学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §10 上腕骨骨幹部三角筋付着部より遠位骨折の固定 / QJ32A011

理由で解く 柔道整復師

QJ32A011 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問11
問題
ミッデルドルフ副子固定の肢位で正しいのはどれか。
選択肢
1 肘関節屈曲位、前腕中間位
2 肘関節伸展位、前腕回外位
3 肘関節屈曲位、前腕回内位
4 肘関節伸展位、前腕中間位
解答
正解1(肘関節屈曲位、前腕中間位)
解説

ミッデルドルフ三角副子は肩関節を外転位に保つための副子で、肘関節は約90度の屈曲位、前腕は回内も回外もしない中間位で固定します。

三角形の副子を患側の体側から腋窩に当て、上腕をその斜辺に沿わせることで、肩関節を外転・軽度屈曲位に保ちます。上腕骨外科頸内転型骨折や上腕骨骨幹部骨折では、上肢を体側に下ろしたままだと骨折部の内方凸変形が残るため、外転位を維持できるこの副子が選ばれます。肘関節は約90度の屈曲位とし、上腕を斜辺に、前腕をもう一方の辺に載せることで、上肢全体を副子の上で支えます。こうすると上肢の重みが骨折部に直接かからず、しかも肘90度屈曲は日常動作につながる機能肢位ですから、固定中に生じやすい肘の伸展拘縮も防げます。肘を伸展したままでは前腕を副子に載せて支えることができず、上肢の重量がそのまま骨折部を牽引しますし、長く伸展位で固定すれば肘の伸展拘縮を招きます。前腕を回内位・回外位にすると上腕骨に回旋する力が加わって整復位が崩れるので、回内外の中間位が最も安定します。固定後は橈骨動脈の拍動、手指の色調・感覚・運動を確認し、腋窩と肘頭の圧迫を避けるよう詰め物で調整します。

✓ 1. 正しい
肘関節屈曲位、前腕中間位
肘を約90度屈曲させると、上腕を副子の斜辺に、前腕をもう一方の辺に載せて上肢全体を支えられます。上肢の重みが骨折部に直接かからず、機能肢位でもあるため肘の伸展拘縮の予防にもなります。前腕を回内外の中間位にすれば上腕骨に回旋力が加わらず、整復位を保ちやすくなります。ミッデルドルフ副子固定の基本肢位そのものです。
✗ 2. 誤り
肘関節伸展位、前腕回外位
肘伸展位では前腕を副子に載せて上肢を支えることができず、上肢の重量がそのまま骨折部にかかります。伸展位のまま固定すれば肘の伸展拘縮も招きます。さらに回外位は上腕骨に回旋力を加えるため、肘・前腕とも不適です。
✗ 3. 誤り
肘関節屈曲位、前腕回内位
肘屈曲位までは正しいのですが、前腕を回内位にすると上腕骨に回旋する力が加わり整復位が崩れます。前腕は中間位にします。惜しい選択肢ですから、前腕の肢位まで必ず確認して選んでください。
✗ 4. 誤り
肘関節伸展位、前腕中間位
前腕中間位は正しいのですが、肘伸展位では前腕を副子に載せて上肢を支えられず、上肢の重みが骨折部を牽引します。肘の伸展拘縮も招くため、肘は約90度の屈曲位にします。
ポイント
  • ミッデルドルフ三角副子は肩関節を外転・軽度屈曲位に保つ副子。上腕骨外科頸内転型骨折や骨幹部骨折で用いる。
  • 肢位は「肩外転位・肘約90度屈曲位・前腕中間位」の3点セットで覚える。
  • 肘90度屈曲にする理由は3つ。①前腕を副子のもう一辺に載せて上肢全体を支えられる、②上肢の重みが骨折部に直接かからない、③機能肢位なので肘の伸展拘縮を防げる。
  • 肘伸展位は不可。前腕を副子に載せて支えられず上肢の重みが骨折部を牽引し、さらに伸展拘縮を招く。
  • 前腕の回内・回外は上腕骨に回旋力を加えて整復位を崩すため、中間位にする。
  • 固定後は橈骨動脈の拍動と手指の色調・感覚・運動を確認し、腋窩と肘頭の圧迫を詰め物で調整する。
比較表
部位固定肢位その肢位にする理由
肩関節外転・軽度屈曲位上腕を副子の斜辺に沿わせて外転位を保ち、骨折部の内方凸変形を防ぐ
肘関節約90度屈曲位前腕をもう一方の辺に載せて上肢全体を支え、重みが骨折部にかからないようにする。機能肢位で伸展拘縮も防ぐ
前腕回内外の中間位上腕骨に回旋力が加わらず、整復位が崩れない
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