学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §10 上腕骨骨幹部三角筋付着部より遠位骨折の固定 / QJ32A010
理由で解く 柔道整復師
上腕骨骨幹部骨折では、初期の安静期を過ぎたら機能的装具(ファンクショナルブレース)に切り替え、隣接関節を動かしながら骨癒合を図るのが標準的です。
上腕骨骨幹部骨折の転位は、骨折線が三角筋付着部より近位か遠位かで正反対になります。三角筋付着部より遠位の骨折では、近位骨片が三角筋に引かれて外転(+軽度屈曲)し、遠位骨片は上腕二頭筋・上腕三頭筋に引かれて上方へ引き上げられます。整復・固定は「動かしにくい近位骨片に、遠位骨片を合わせにいく」のが原則なので、肩関節は軽度外転位とし、肘関節90度屈曲・前腕中間位で三角副子(ミッデルドルフ副子)などを用います。固定期間は成人でおおむね6〜8週。上腕骨は周囲を筋肉に囲まれて多少の転位は自家矯正されやすく、また長期の完全固定は肩・肘の拘縮を招くため、数週の初期安静期を過ぎたら機能的装具に移行し、肩と肘の運動を許しながら固定を続ける方法が広く行われています。橈骨神経は上腕骨中下1/3で骨に接して走るため、固定前後で手関節の背屈(下垂手の有無)と母指〜手背の感覚を必ず確認します。
| 骨折線の高さ | 近位骨片 | 遠位骨片 | 固定の考え方 |
|---|---|---|---|
| 三角筋付着部より近位 | 大胸筋・広背筋・大円筋に引かれて内転 | 三角筋に引かれて外上方 | 遠位骨片に近位骨片を合わせる |
| 三角筋付着部より遠位 | 三角筋に引かれて外転・軽度屈曲 | 上腕二頭筋・三頭筋に引かれて上方 | 肩軽度外転位で保持し、遠位を近位に合わせる |
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