学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §13 第5中手骨頸部骨折の固定 / QJ31A011

理由で解く 柔道整復師

QJ31A011 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問11
問題
第5中手骨頸部骨折の関節固定角度で正しいのはどれか。
選択肢
1 DIP 関節軽度屈曲位
2 PIP 関節 90度屈曲位
3 MP 関節 90度屈曲位
4 手関節軽度屈曲位
解答
正解1(DIP 関節軽度屈曲位)
解説

第5中手骨頸部骨折の固定では、DIP関節は軽度屈曲位に置く。手関節は軽度背屈位が原則で、屈曲位ではない。

手の固定は「拘縮を残さない肢位で保持する」ことが原則で、手関節は軽度背屈、MP関節は屈曲、PIP・DIP関節は軽度屈曲位に置く。MP関節を屈曲位に置くのは側副靱帯が伸張された状態で固定して短縮拘縮を防ぐためであり、IP関節を軽度屈曲にとどめるのは掌側板の拘縮を避けるためである。第5中手骨頸部骨折(いわゆるボクサー骨折)では遠位骨片である骨頭が掌側へ傾き、屈曲変形の頂点にあたる骨折部が背側へ突出する(背側凸)ため、握りこぶしをつくったときのナックル(中手骨頭の膨隆)が陥凹して消失する。整復ではMP関節を屈曲させて基節骨を介し骨頭を押し上げる操作を用いるが、固定はその最大屈曲位をそのまま保つのではなく、各関節を上記の安全な角度に収める。固定後は手指の色・しびれ・爪床の色調を確認し、腫脹が強ければ包帯を調整する。

✓ 1. 正しい
DIP 関節軽度屈曲位
IP関節は軽度屈曲位が安静肢位であり、この角度で固定すると拘縮を残しにくい。
✗ 2. 誤り
PIP 関節 90度屈曲位
PIP関節を90度屈曲位で固定すると掌側板が短縮し、伸展制限(屈曲拘縮)を残す。PIP関節は軽度屈曲位にとどめる。
✗ 3. 誤り
MP 関節 90度屈曲位
MP関節を屈曲位に保つ点は理にかなうが、90度と定めて固定するものではない。90度屈曲は整復操作で骨頭を押し上げる際に用いる角度であり、固定肢位と混同しないようにする。
✗ 4. 誤り
手関節軽度屈曲位
手関節は軽度背屈(伸展)位が正しい。掌屈位で固定すると手内在筋と腱のバランスが崩れ、握力低下や拘縮を招く。
ポイント
  • 手の固定の原則:手関節は軽度背屈、MP関節は屈曲、IP関節は軽度屈曲。
  • MP関節を屈曲位に置くのは側副靱帯を伸張させ短縮拘縮を防ぐため。
  • IP関節を軽度屈曲にとどめるのは掌側板の拘縮を避けるため。
  • 第5中手骨頸部骨折は骨頭が掌側へ傾き、骨折部は背側に突出する(背側凸)変形を残しやすく、ナックル(中手骨頭)の膨隆が消失する。
  • 固定後は手指の色・しびれ・腫脹を確認し、必要に応じて巻き直す。
比較表
関節固定肢位理由
手関節軽度背屈位腱のバランスを保ち握力低下を防ぐ
MP関節屈曲位側副靱帯を伸張させ短縮拘縮を防ぐ
PIP関節軽度屈曲位掌側板の拘縮(伸展制限)を避ける
DIP関節軽度屈曲位安静肢位に一致し拘縮を残しにくい
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。