学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §7 定型的鎖骨骨折の診察および整復 / QJ32A007

理由で解く 柔道整復師

QJ32A007 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問7
問題
鎖骨骨折坐位整復法の助手の役割で誤っているのはどれか。
選択肢
1 患者の観察
2 患肢の保持
3 上方転位の除去
4 胸を張る姿勢の保持
解答
正解3(上方転位の除去)
解説

坐位整復法で助手が担うのは、患者の観察・患肢の保持・胸を張る姿勢の保持です。骨片を直接動かす上方転位の除去は術者の役割になります。

鎖骨骨折では、近位骨片が胸鎖乳突筋に引かれて上方へ、遠位骨片が上肢の重みと大胸筋・小胸筋によって下方・前内方へ引かれ、短縮転位を生じます。坐位整復法では患者を椅子に座らせ、助手が背後から膝を脊柱(肩甲骨間)に当て、両手で両肩を後外方へ引いて胸を張らせます。この姿勢そのものが持続的な牽引となり、短縮転位と前方転位を除去します。術者は前方から骨折部を直接把持し、上方に転位した近位骨片に遠位骨片を合わせるように整復します。つまり助手は「土台と環境をつくる係」、術者は「骨片を合わせる係」です。助手はその間、患者の顔色・冷汗・気分不良などの全身状態を観察し、迷走神経反射による失神に備えます。異変があればすぐ術者に伝え、坐位から臥位に移すなどの対応をとります。

✓ 3. これが答え(助手の役割ではない)
上方転位の除去
上方に転位した骨片を整復するには骨折部を直接触知して操作する必要があり、これは術者の手技です。助手が担うのは、その操作がしやすい姿勢と条件を維持することです。
✗ 1. 助手の役割にあたる(答えではない)
患者の観察
坐位では疼痛や緊張から迷走神経反射(顔面蒼白、冷汗、気分不良、失神)が起こりうるため、助手が背後から全身状態を絶えず観察します。
✗ 2. 助手の役割にあたる(答えではない)
患肢の保持
患肢が下垂して重みで遠位骨片が引かれると整復位が崩れます。助手が患肢を支えて位置を保ちます。
✗ 4. 助手の役割にあたる(答えではない)
胸を張る姿勢の保持
膝を背部に当てて両肩を後外方に引き、胸を張らせる操作こそ助手の中心的な仕事です。これが短縮転位・前方転位を除去する牽引になります。
ポイント
  • 鎖骨骨折の転位:近位骨片は胸鎖乳突筋で上方へ、遠位骨片は上肢の重みと胸筋で下方・前内方へ。
  • 坐位整復法の助手=背部に膝を当てて両肩を後外方へ引き、胸を張らせる(=牽引の役)。
  • 助手の仕事は 患者の観察・患肢の保持・胸を張る姿勢の保持 の3つ。
  • 骨片を直接把持して上方転位を整復するのは術者。
  • 坐位では迷走神経反射に注意。顔色や冷汗の変化に気づいたらすぐ術者に伝え、体位を変える。
比較表
操作助手術者
患者の全身状態の観察
背部に膝を当て両肩を後外方へ引く(胸を張らせる)
患肢の保持
骨折部の直接把持・上方転位の除去
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