学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §7 定型的鎖骨骨折の診察および整復 / QJ31A005

理由で解く 柔道整復師

QJ31A005 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問5
問題
定型的鎖骨骨折の来所時の肢位で誤っているのはどれか。
選択肢
1 顔面は患側に向けている。
2 肩幅が減少している。
3 肩が下垂している。
4 健側で患側上肢を支えている。
解答
正解1(顔面は患側に向けている。)
解説

定型的鎖骨骨折の患者は、頭部を患側に傾けて顔面は健側に向ける。顔を患側へ向けているとする記述が設問の答えとなる。

定型的鎖骨骨折は中外1/3境界部に生じ、近位骨片は胸鎖乳突筋に引かれて上後方へ、遠位骨片は上肢の重みと大胸筋・小胸筋の牽引で前下内方へ転位する。患者は痛みを減らそうとして自然に一定の姿勢をとり、頭部を患側へ傾けて胸鎖乳突筋の緊張をゆるめ、顔面は健側へ向ける。同時に患側の肩は下がって前内方へ入り込むため健側より肩幅が狭くみえ、健側の手で患側の前腕や肘を支えて上肢の重みを骨折部から逃がす。これらはすべて転位方向と筋の走行から導けるので、姿勢を丸暗記せず「どの筋がどちらへ引くか」で説明できるようにしておきたい。

✓ 1. これが答え(記述として誤り)
顔面は患側に向けている。
「悪側」は患側を指す表記と読めるが、いずれにしても顔を向ける先は健側である。患側へ顔を向けると胸鎖乳突筋が伸張されて近位骨片が引かれ、疼痛が強まるため、患者は頭部を患側に傾け顔面を健側へ向ける姿勢をとる。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
肩幅が減少している。
遠位骨片が前内下方へ転位して肩が内側へ寄るため、健側と比べて患側の肩幅が狭くみえる。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
肩が下垂している。
鎖骨による支えが失われ、上肢の重みで患側の肩は下がる。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
健側で患側上肢を支えている。
上肢の重みが骨折部にかかると疼痛が増すため、健側の手で患側の前腕・肘を支えて来所することが多い。
ポイント
  • 好発部位は鎖骨の中外1/3境界部。
  • 近位骨片=胸鎖乳突筋により上後方へ、遠位骨片=上肢の重みと胸筋により前下内方へ転位。
  • 来所時の姿勢:頭部は患側へ傾け、顔面は健側へ向ける。
  • 患側の肩は下垂し前内方へ入るため肩幅が減少してみえる。
  • 健側手で患側上肢を支えるのは、重みを骨折部から逃がすため。
比較表
部位向き・動き理由
頭部の傾き患側へ傾ける胸鎖乳突筋の緊張をゆるめる
顔面の向き健側へ向ける患側へ向けると同筋が伸張し疼痛増強
患側の肩下垂・前内方へ鎖骨の支持が失われ上肢の重みがかかる
上肢健側手で支える骨折部への牽引を減らす
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