学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §3 柔道整復師と柔道 / QJ32A001

理由で解く 柔道整復師

QJ32A001 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問1
問題
講道館柔道の修行の目的でないのはどれか。
選択肢
1 身体の鍛錬
2 精神の修養
3 柔術の習得
4 社会への貢献
解答
正解3(柔術の習得)
解説

講道館柔道の修行の目的は、三大目的である「体育・勝負・修心」と、その帰結として掲げられた社会への貢献(精力善用・自他共栄)です。柔術は柔道が生まれた母体であって、修行の目的として掲げられたものではありません。

嘉納治五郎は、天神真楊流・起倒流など柔術諸流派の技を整理・体系化し、1882(明治15)年に講道館柔道を創始しました。その際に柔道が掲げたのは、身体を鍛える「体育」、技を修めて判断力・応用力を養う「勝負」、人格を磨く「修心」という三大目的です。そしてその根本の理念が「精力善用(心身の力を最も有効に使う)」と「自他共栄(互いに助け合い共に栄える)」であり、修行で得た力を世のため人のために用いること、すなわち社会への貢献までが柔道修行の目的に含まれます。したがって本問で問われているのは、この四つ(体育・勝負・修心+社会への貢献)に入らないものはどれか、ということになります。柔術は講道館柔道が生まれる母体となった技術体系であり、嘉納はその技を受け継いだうえで、人間形成のための「道」として組み替えました。母体であることと、掲げられた目的であることは別です。なお三大目的の「勝負」には技を修めることが含まれますが、それは柔道の技を通して判断力・応用力を養うことであって、柔術という特定の技術体系をそのまま継承することではありません。柔道整復師にとっても、この理念は施術者としての職業倫理の土台になります。

✓ 3. これが答え(修行の目的ではない)
柔術の習得
柔術は講道館柔道が生まれる母体となった技術体系ですが、講道館柔道が修行の目的として掲げたのは体育・勝負・修心の三大目的と、その帰結としての社会への貢献です。柔術の習得そのものは、この中に数えられていません。三大目的の「勝負」には技を修めることが含まれますが、それは柔道の技を通じて判断力・応用力を養うことであり、柔術の技術体系をそのまま受け継ぐこととは別だ、という区別が本問のポイントです。
✗ 1. 修行の目的に含まれる(答えではない)
身体の鍛錬
三大目的の「体育」にあたります。乱取りや形を通して全身をむらなく発達させ、健康を養うことが柔道修行の柱の一つです。
✗ 2. 修行の目的に含まれる(答えではない)
精神の修養
三大目的の「修心」にあたります。礼法や稽古を通じて忍耐・克己・礼節を身につけ、人格を磨くことが求められます。
✗ 4. 修行の目的に含まれる(答えではない)
社会への貢献
「精力善用・自他共栄」が指し示す到達点であり、三大目的と並んで修行の目的に数えられます。修行で培った心身の力を自分のためだけに使わず、他者と社会のために役立てることまでが柔道の目的とされています。
ポイント
  • 講道館柔道は1882(明治15)年、嘉納治五郎が柔術を母体に人間形成の「道」として創始した。
  • 修行の三大目的は体育・勝負・修心。この3語を丸ごと覚えておくと即答できる。
  • 根本理念は精力善用・自他共栄。ここから導かれる社会への貢献も修行の目的に含まれる。
  • 柔術は柔道が生まれた母体。母体であることと目的として掲げられたことは別で、上の四つに柔術は入らない。
  • 「勝負」に含まれる技の修得は、柔道の技を通じた判断力・応用力の養成であって、柔術の技術体系の継承ではない。
  • 必修問題では柔道整復師の職業倫理・態度の土台としてこの理念が繰り返し問われる。
比較表
修行の目的内容本問の選択肢
体育身体を鍛え、健康を養う1. 身体の鍛錬
勝負柔道の技を修め、判断力・応用力を養う該当する選択肢なし
修心精神を修め、人格を磨く2. 精神の修養
社会への貢献
(精力善用・自他共栄)
得た力を世のため人のために使う4. 社会への貢献
(目的ではない)柔術講道館柔道が生まれた母体となった技術体系3. 柔術の習得 ← これが答え
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