学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §1 患者の権利 / QJ32A002

理由で解く 柔道整復師

QJ32A002 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問2
問題
施術所の業務に関する情報開示で同意が必要でないのはどれか。
選択肢
1 患者の名前
2 負傷日時
3 受傷部位
4 施術所スタッフの顔写真
解答
正解3(受傷部位)
解説

個人情報の考え方を問う一問です。4つを「個人と結び付く度合い」で並べると整理できます。氏名と顔写真はそれ自体が本人を指し示し、負傷日時は本人に起きた出来事として開示されます。受傷部位だけは本人と切り離して示せる属性なので、同意なしに扱えます。

施術所が扱う情報のうち、生存する個人に関する情報であって特定の個人を識別できるものが個人情報にあたり、第三者に提供したり公表したりするときは原則として本人の同意が必要です。ただし本問の4つは「単独で識別できる/できない」という一本の線ではきれいに切れません。本人との結び付き方の違いで並べて理解してください。氏名はそれ自体が本人を指し示す直接識別情報です。顔写真も容貌という個人を識別する情報を含むため、患者・スタッフのいずれについても本人の同意なしに院内掲示やホームページ、SNSに載せることはできません。負傷日時は名前が出ていなくても、「その患者がいつ負傷し、いつ来院したか」という本人に起きた出来事として開示される情報であり、患者本人に帰属するものとして同意が必要になります。これに対して受傷部位は「前腕」「足関節」といった身体の部位名で、本人と切り離して属性だけを示すことができます。症例数の集計や統計、施術内容の一般的な説明のように、氏名・日時・写真を伴わない形であれば特定の個人を識別しないため、同意なしに扱えると整理されます。正直に補っておくと、負傷日時と受傷部位は情報の性質としては近く、どちらも単独では個人を識別できず、施術録や受付簿と照合すれば個人にたどり着く点でも同格です。実際の線引きは、開示の相手と場面(院内掲示か、ホームページ等での公表か、第三者提供か)によって変わります。実務では、掲示や広報に使う前に「誰の・どの情報を・どこに出すか」を説明して文書で同意を得ておき、同意が得られないときは部位や件数だけの、個人が特定されない形にして扱います。

✓ 3. 同意は不要(これが答え)
受傷部位
受傷部位は「前腕」「足関節」といった身体の部位名であり、本人と切り離して属性だけを示せる情報です。氏名・負傷日時・写真を伴わず、個人が特定されない形(症例数の集計や統計、施術内容の一般的な説明など)で扱う限りは、本人の同意なしに示せると整理されます。したがって設問の「同意が必要でないもの」にあたります。逆にいえば、他の情報と組み合わせて個人にたどり着く出し方をするなら同意が必要になります。
✗ 1. 同意が必要(答えではない)
患者の名前
氏名は、それ自体が特定の個人を指し示す直接識別情報です。誰が来院したかという事実そのものが患者のプライバシーですから、外部に開示するには本人の同意が要ります。
✗ 2. 同意が必要(答えではない)
負傷日時
負傷日時は、名前が出ていなくても「その患者がいつ負傷し、いつ来院したか」という、本人に起きた出来事として開示される情報です。患者本人に帰属する情報として扱うため、開示には同意が必要になります。
✗ 4. 同意が必要(答えではない)
施術所スタッフの顔写真
顔写真は容貌によって個人を識別できるため、スタッフ本人の個人情報にあたります。雇用関係があっても本人の同意なしに掲示物やホームページに掲載することはできず、掲載前に用途・掲載範囲を説明して同意を得ておきます。退職時の取り下げ手順まで決めておくと安心です。
ポイント
  • 個人情報=生存する個人に関する情報のうち、特定の個人を識別できるもの。氏名と顔写真がその代表。
  • 判断の軸は「本人と切り離して示せるか」。氏名・顔写真は本人そのものを指し、負傷日時は本人に起きた出来事として出る。
  • 顔写真は患者だけでなくスタッフについても本人の個人情報。掲示・広報に使う前に本人から同意を得る。
  • 受傷部位は部位名という属性。本人と切り離した形(症例数・統計・一般的な説明)なら同意不要。氏名や写真と組み合わせれば同意が必要になる。
  • 負傷日時と受傷部位は情報の性質としては近く、実際の判断は開示の相手・場面(院内掲示/公表/第三者提供)で変わる。
  • 掲示・広報の前に「誰の・どの情報を・どこに出すか」を説明し、書面で同意を得る運用を決めておく。
比較表
情報本人との結び付き方開示に本人の同意
患者の名前それ自体が本人を指し示す(直接識別情報)必要
スタッフの顔写真容貌によって写っている本人が特定される必要(スタッフ本人から)
負傷日時本人に起きた出来事として開示される必要
受傷部位(部位名のみ)本人と切り離して属性だけを示せる個人が特定されない形なら不要
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