学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ31P118

理由で解く 柔道整復師

QJ31P118 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問118
問題
30歳の女性。10年ぶりにテニスを再開している。休暇を取り1週間連続でプレーしたところ、右肘関節外側が痛み始めた。2週間ほどテニスを控えていたが、仕事でパソコン入力作業にも支障をきたすようになった。陽性となる徒手検査はどれか。
選択肢
1 スピード
2 トムゼン
3 リフトオフ
4 フィンケルスタイン
解答
正解2(トムゼン)
解説

手関節背屈を繰り返す競技・作業で肘関節外側が痛むのは上腕骨外側上顆炎(テニス肘)。手関節背屈に抵抗を加えるトムゼンテストが陽性となる。

上腕骨外側上顆には短橈側手根伸筋を中心とした前腕伸筋群が共同腱として起始する。バックハンドの繰り返しやキーボード入力のように手関節背屈を反復すると、この起始部に微小損傷と変性が積み重なって疼痛を生じる。誘発テストはいずれも「伸筋群を収縮させるか伸張させて起始部にストレスをかける」という共通の発想でできており、トムゼンテスト(手関節背屈に抵抗)、中指伸展テスト(中指伸展に抵抗)、チェアテスト(椅子を持ち上げる)が代表格である。痛む場所は外側上顆とそのやや遠位で、物を持ち上げる・タオルを絞るといった日常動作でも誘発される。対応としては誘発動作の量を調整し、伸筋群のストレッチと前腕バンド(エルボーバンド)で起始部への負担を分散させながら、段階的に負荷を戻していく。

✓ 2. これが答え
トムゼン
手関節背屈に抵抗を加えたとき外側上顆部に疼痛が誘発される検査で、短橈側手根伸筋を中心とした伸筋群起始部へのストレスをみている。本例の痛みの部位と誘発動作にそのまま一致するため陽性となる。
✗ 1. 答えではない
スピード
肘伸展・前腕回外位で肩関節屈曲に抵抗を加え、結節間溝部の疼痛をみる上腕二頭筋長頭腱の検査。評価しているのは肩であり、肘外側の痛みは判定できない。
✗ 3. 答えではない
リフトオフ
手を背中に回し、腰から離す動作で肩甲下筋の機能をみる検査。肩関節内旋筋の評価であり、肘関節外側の障害とは関係しない。
✗ 4. 答えではない
フィンケルスタイン
母指を握り込ませて手関節を尺屈させ、橈骨茎状突起部の疼痛をみる検査で、ド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎)に対して行う。誘発される部位が手関節橈側であり、肘外側とは異なる。
ポイント
  • 上腕骨外側上顆炎は前腕伸筋群(とくに短橈側手根伸筋)起始部の障害。
  • 陽性となるのはトムゼンテスト、中指伸展テスト、チェアテスト。いずれも伸筋群にストレスをかける。
  • 痛みは外側上顆とそのやや遠位。物を持ち上げる、タオルを絞る動作でも誘発される。
  • 内側上顆炎(ゴルフ肘)は屈筋・回内筋群の起始部で、手関節掌屈や回内の抵抗で誘発される。
  • 誘発動作の調整、伸筋群のストレッチ、前腕バンドの併用で負担を減らしながら段階的に復帰する。
比較表
検査法陽性で疑う病態誘発の方法
トムゼンテスト上腕骨外側上顆炎手関節背屈に抵抗を加える
フィンケルスタインテストド・ケルバン病母指を握り込ませて手関節を尺屈
スピードテスト上腕二頭筋長頭腱炎肘伸展・回外位で肩関節屈曲に抵抗
リフトオフテスト肩甲下筋の機能低下背中に回した手を腰から離す
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