学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ31P117
理由で解く 柔道整復師

外旋筋力だけが選択的に落ち、同部に圧痛と筋萎縮があり、感覚障害も神経根症状もない。これは肩甲上神経の障害で、棘窩切痕部で絞扼されると棘下筋だけが麻痺する。
肩甲上神経は肩甲切痕を通ってまず棘上筋を支配し、続いて肩甲棘の外側を回り込む棘窩切痕を通って棘下筋に達する。バレーボールのスパイクや野球の投球のように、肩を挙上・外転して繰り返し強くひねる動作では、この棘窩切痕部で神経が牽引・絞扼されやすい。肩甲切痕より遠位で障害されると棘上筋は温存され棘下筋だけが麻痺するため、外転筋力は保たれたまま外旋筋力のみが低下し、棘下窩に筋萎縮が現れるという特徴的な組み合わせになる。肩甲上神経は皮膚感覚を担当しないので感覚障害を伴わない点も手がかり。頸椎由来を除外するにはスパーリングテスト、腱反射、感覚の左右差を確認するが、本例はいずれも陰性・差なしで神経根症は考えにくい。ガングリオンによる圧迫が原因のこともあるため、症状が続くときは画像評価につなぐ。
| 神経(障害部位) | 麻痺する筋 | 低下する動作 | 感覚障害 |
|---|---|---|---|
| 肩甲上神経(棘窩切痕部) | 棘下筋 | 肩関節外旋 | なし |
| 腋窩神経 | 三角筋・小円筋 | 肩関節外転 | あり(上腕外側上部) |
| 長胸神経 | 前鋸筋 | 肩甲骨の固定(翼状肩甲) | なし |
| C7神経根 | 上腕三頭筋など | 肘関節伸展 | あり(中指) |
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