学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ31P108
理由で解く 柔道整復師
翌日に自力で歩いて来所できた大腿骨頸部骨折は、転位の小さい外転型(嵌入型)を想定する。頸部内側は関節包の中にあるため、外から見える腫脹は軽くとどまるのが特徴で、これが正解の根拠になる。
大腿骨頸部内側骨折は関節包内骨折であり、出血が関節包内にとどまって関節液に希釈されるため、大腿近位の腫脹や皮下出血は関節包外の転子部骨折ほど目立たない。ここは分けて覚える必要があり、同じ大腿骨近位部でも頸部外側(基部)骨折や転子部骨折は関節包外に位置するため、腫脹・皮下出血はむしろ著明になる。本例のように「歩いて来所できた」場合は、関節包内にとどまる転位の小さい外転型を第一に考える。転位の小さい外転型では下肢の外旋変形・短縮・大転子高位も乏しく、痛みをこらえて歩けてしまう例がある。一方で、スカルパ三角部(大腿三角=鼠径部中央)の圧痛と、患肢の軸圧痛・荷重時痛は比較的はっきり現れる。つまり「見た目は軽いのに、体重をかけると痛い」というギャップが本症のかたちであり、これが見落としを生む原因でもある。高齢者の転倒後の股関節痛は、歩けていても骨折を否定せず、医科での画像診断につなぐ。
| 項目 | 大腿骨頸部(内側)骨折 | 大腿骨転子部(外側)骨折 |
|---|---|---|
| 骨折線の位置 | 関節包内 | 関節包外 |
| 腫脹・皮下出血 | 軽度でわかりにくい | 著明 |
| 転位・外旋変形 | 外転型では乏しい | 著明なことが多い |
| 受傷後の歩行 | 外転型では可能なことがある | 通常は不能 |
| 骨癒合・血行 | 不良。骨頭壊死のリスクあり | 良好 |
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