学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ31P091

理由で解く 柔道整復師

QJ31P091 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問91
問題
中足骨骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 骨幹部骨折は介達外力で発生することが多い。
2 疲労骨折は第2・第3中足骨に発生することが多い。
3 ジョーンズ(Jones) 骨折は第4中足骨に起こる。
4 長腓骨筋の収縮で第5中足骨基部裂離骨折が起こる。
解答
正解2(疲労骨折は第2・第3中足骨に発生することが多い。)
解説

中足骨の疲労骨折は、荷重が集中する第2・第3中足骨に起こる。「行軍骨折」の別名で覚えると位置が結びつく。

中足骨は歩行・走行のたびに床反力を受ける。なかでも第2・第3中足骨は、対応する足根中足関節の可動性が小さく足部のなかで固定されているため、荷重ストレスが逃げずに集中する。長距離歩行・ランニング・跳躍を繰り返すと骨幹部に微小骨折が蓄積し、疲労骨折となる。初期は単純エックス線に写らないことがあるので、限局性の圧痛と運動時痛が続く場合は疲労骨折を想定して運動量を減らし、医療機関での画像評価につなげる。

✗ 1. 誤り
骨幹部骨折は介達外力で発生することが多い。
中足骨骨幹部骨折の多くは、重量物の落下や足背を踏まれるといった直達外力によって生じる。介達外力で起こる代表は第5中足骨基部の裂離骨折である。
✓ 2. 正しい
疲労骨折は第2・第3中足骨に発生することが多い。
第2・第3中足骨は足根中足関節の可動性が小さく、荷重ストレスが集中しやすいためである。長距離の歩行や走行を繰り返す人に生じ、行軍骨折とも呼ばれる。
✗ 3. 誤り
ジョーンズ(Jones) 骨折は第4中足骨に起こる。
ジョーンズ骨折は第5中足骨の基部と骨幹部の移行部に生じる骨折である。この部位は血行が乏しく偽関節や再骨折を起こしやすいため、疑ったら医療機関での精査を勧める。
✗ 4. 誤り
長腓骨筋の収縮で第5中足骨基部裂離骨折が起こる。
第5中足骨基部(粗面)に停止するのは短腓骨筋である。足部が急に内がえしされた際の短腓骨筋腱の牽引で裂離骨折(下駄骨折)が起こる。長腓骨筋は足底を通って内側楔状骨・第1中足骨底に停止する。
ポイント
  • 疲労骨折は第2・第3中足骨(行軍骨折)。可動性が小さく荷重が集中するため。
  • 骨幹部骨折は直達外力が主。第5中足骨基部裂離骨折は介達外力(内がえし)+短腓骨筋の牽引。
  • ジョーンズ骨折は第5中足骨の基部〜骨幹部移行部。血行不良で偽関節・再骨折が多い。
  • 第5中足骨基部の骨折は「裂離骨折(下駄骨折)」と「ジョーンズ骨折」を部位で区別する。
  • 初期にエックス線で写らない疲労骨折もある。圧痛が続けば運動量を落として画像評価へつなぐ。
比較表
項目第5中足骨基部裂離骨折(下駄骨折)ジョーンズ骨折
部位基部(粗面)基部〜骨幹部移行部
発生機序足部内がえし+短腓骨筋の牽引繰り返す外側への荷重ストレス
血行比較的良好乏しい
経過保存療法で癒合しやすい偽関節・再骨折が多く難治
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