学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ31P083

理由で解く 柔道整復師

QJ31P083 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問83
問題
頸椎の椎体圧迫骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 好発部位は第7頸椎である。
2 椎体は楔状変形をきたす。
3 後縦靱帯が損傷されやすい。
4 中心性脊髄損傷が生じやすい。
解答
正解2(椎体は楔状変形をきたす。)
解説

椎体は楔状変形をきたす。頸椎の圧迫骨折は屈曲外力で椎体前方が押しつぶされるため、前が低く後ろが高いくさび形になる。

圧迫骨折は、屈曲が強制された瞬間に椎体前方へ圧縮力が集中して起こる。前壁が潰れて後壁の高さは保たれるので、側面像では前方に向かってすぼまった楔形に写る。後壁と後縦靱帯が保たれていれば骨片が脊柱管へ突出せず、比較的安定した損傷になる。後壁まで壊れて骨片が後方へ飛び出せば破裂骨折となり、こちらは脊髄損傷の危険が高い。頸椎で圧迫骨折が起きやすいのは可動性の大きい中位〜下位(第5頸椎前後)。中心性脊髄損傷はこれとは逆に伸展が強制されたときに、頸椎症性変化のある高齢者で起こる。頸椎損傷を疑ったら屈伸させる検査は行わず、保持したまま救急対応ができる体制へつなぐ。

✓ 2. 正しい
椎体は楔状変形をきたす。
屈曲外力で椎体前方が圧潰し、前方が低く後方が高いくさび形になる。圧迫骨折の典型的な形態。
✗ 1. 誤り
好発部位は第7頸椎である。
頸椎の圧迫骨折は可動性の大きい中位〜下位頸椎、第5頸椎前後に多い。第7頸椎に特有なのは棘突起の骨折(シャベル作業者骨折)のほう。
✗ 3. 誤り
後縦靱帯が損傷されやすい。
屈曲外力では後方要素(棘上靱帯・棘間靱帯・黄色靱帯)が引き伸ばされて損傷される。椎体後面を走る後縦靱帯は保たれることが多く、これが保たれるからこそ安定型となる。
✗ 4. 誤り
中心性脊髄損傷が生じやすい。
中心性脊髄損傷は過伸展外力で発生し、頸椎症性変化のある高齢者が転倒して顔面を打つ場面が典型。上肢に強く下肢に軽い麻痺を示す。屈曲による圧迫骨折とは受傷機転が逆になる。
ポイント
  • 頸椎椎体圧迫骨折=屈曲外力による椎体前方の圧潰 → 楔状変形。後壁が保たれれば安定型。
  • 好発は可動性の大きい中位〜下位頸椎(第5頸椎前後)。
  • 屈曲外力で損傷されるのは後方要素(棘上・棘間靱帯)。後縦靱帯は保たれやすい。
  • 後壁が破綻して骨片が脊柱管へ突出すれば破裂骨折。脊髄損傷の危険が高い。
  • 中心性脊髄損傷は過伸展で生じ、上肢優位の麻痺。高齢者の転倒・顔面打撲が典型。
  • 頸椎損傷を疑ったら頸部を動かす検査はせず、保持して救急につなぐ。
比較表
病態外力特徴
圧迫骨折屈曲椎体前方の圧潰、楔状変形。後壁が保たれれば安定型
破裂骨折強い軸圧後壁が破綻し骨片が脊柱管へ突出。脊髄損傷の危険
中心性脊髄損傷過伸展骨傷を伴わないことも。上肢優位の麻痺、高齢者に多い
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。