学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ31P084

理由で解く 柔道整復師

QJ31P084 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問84
問題
胸骨骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 介達外力によるものが多い。
2 胸骨体の骨折が多い。
3 斜骨折が最も多い。
4 胸式呼吸がみられる。
解答
正解2(胸骨体の骨折が多い。)
解説

胸骨体の骨折が多い。自動車事故でハンドルやシートベルトが前胸部に直接当たる直達外力が主体で、面積が広く体表に近い胸骨体に横骨折を生じる。

胸骨は上から胸骨柄・胸骨体・剣状突起に分かれ、体部が最も広く前面に張り出している。したがって前方からの衝突では体部が直接打たれ、骨折の大半を占める。骨折線は打撃方向と直交する横骨折が最も多く、転位すると段差として触れる。呼吸については、胸郭を広げると骨折部が動いて痛むため、患者は胸式呼吸を避けて浅い腹式呼吸になる。臨床で重要なのは胸骨骨折そのものより、その裏側にある心臓・大血管・肺の損傷で、心挫傷、心タンポナーデ、大動脈損傷、肺挫傷、血気胸を伴うことがある。胸骨部の強い痛みや変形を認めたら整復操作を試みず、呼吸状態と循環(脈拍、顔色、冷汗、頸静脈怒張)を確認して、ただちに救急搬送につなぐ。

✓ 2. 正しい
胸骨体の骨折が多い。
胸骨体は面積が広く体表に近いため、前胸部への直達外力が集中しやすい。
✗ 1. 誤り
介達外力によるものが多い。
ハンドル外傷、シートベルト、前胸部への直接打撲といった直達外力によるものが大半。脊柱の過屈曲による介達外力で生じることもあるが多数派ではない。
✗ 3. 誤り
斜骨折が最も多い。
骨折線は打撃方向と直交する横骨折が最も多い。
✗ 4. 誤り
胸式呼吸がみられる。
胸郭を広げると骨折部が動いて痛むため、患者は胸式呼吸を避け、浅く速い腹式呼吸になる。
ポイント
  • 胸骨骨折=直達外力(ハンドル外傷、シートベルト、前胸部打撲)が主。好発は胸骨体、骨折型は横骨折。
  • 疼痛のため胸式呼吸が抑制され、浅い腹式呼吸となる。深呼吸や咳で痛みが増す。
  • 最大の注意点は胸腔内臓器損傷の合併。心挫傷、心タンポナーデ、大血管損傷、肺挫傷、血気胸。
  • 呼吸困難、チアノーゼ、頸静脈怒張、血圧低下、冷汗があれば緊急。ただちに救急要請する。
  • 胸骨部に陥凹や段差を触れても整復操作は行わず、安静を保って搬送する。
比較表
項目胸骨骨折の実際
外力直達外力が主(ハンドル外傷、シートベルト)
好発部位胸骨体
骨折型横骨折が最多
呼吸胸式呼吸は抑制され、浅い腹式呼吸となる
合併症心挫傷、心タンポナーデ、大血管損傷、肺挫傷、血気胸
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