学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ31P080
理由で解く 柔道整復師
尺骨神経管(ギヨン管)は豆状骨と有鉤骨鉤の間にあり、ここで絞扼されると手掌の尺側(小指と環指尺側の掌側)に感覚障害が出る。手背尺側の感覚は保たれるのが最大の特徴である。
尺骨神経は手関節より約5cm近位で「背側手枝(手背枝)」を分岐させ、これが手背の尺側の皮膚感覚を担う。この分岐はギヨン管よりも手前で起こるため、ギヨン管内での絞扼では手背尺側の感覚が残る。一方、ギヨン管を通過した尺骨神経は浅枝(掌側の感覚+短掌筋)と深枝(骨間筋・母指内転筋などの運動)に分かれるため、障害されるのは手掌尺側の感覚と手内在筋の運動である。同じ尺骨神経障害でも、より近位の肘部管症候群では背側手枝も巻き込まれるため手背尺側にも感覚障害が及ぶ。したがって「手背尺側の感覚が保たれているか」は、絞扼部位が手関節か肘かを見分ける決め手になる。しびれが持続する場合は自己判断で経過をみず、医療機関での神経伝導検査や画像評価につなぐ。
| ギヨン管症候群(尺骨神経管) | 肘部管症候群 | |
|---|---|---|
| 絞扼部位 | 豆状骨と有鉤骨鉤の間 | 内側上顆後方の尺骨神経溝〜オズボーン靱帯下 |
| 手掌尺側の感覚 | 障害される | 障害される |
| 手背尺側の感覚 | 保たれる(背側手枝は通らない) | 障害される |
| 運動障害 | 深枝が巻き込まれれば手内在筋(骨間筋など) | 手内在筋+尺側手根屈筋・深指屈筋尺側 |
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