学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §12 疾患別各論 骨端症 / QJ31P061

理由で解く 柔道整復師

QJ31P061 整形外科学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問61
問題
足の舟状骨が無腐性壊死となるのはどれか。
選択肢
1 セーバー(Sever)病
2 ブラント(Blount) 病
3 ケーラー(Kohler)病
4 ペルテス(Perthes) 病
解答
正解3(ケーラー(Kohler)病)
解説

足の舟状骨に生じる無腐性壊死はケーラー病。答えは3。骨端症は「どの骨か」と人名を対にして覚える。

骨端症(無腐性壊死・阻血性壊死)は、成長期の骨端核や骨突起が血行の乏しさと繰り返す機械的ストレスによって壊死に陥り、その後吸収・再生を経て修復されていく一連の変化をいう。成長期の骨端核は栄養血管が終末動脈的で側副路に乏しく、荷重や牽引が集中すると容易に阻血に傾く。ケーラー病は足の舟状骨に起こるもので、3〜7歳ごろの男児に多い。舟状骨は足の内側縦アーチの要石にあたり、荷重が集中するうえ骨化が遅れて始まるため負荷を受けやすい。足内側の痛み・腫れ・圧痛と、患側をかばう跛行(足の外側で接地する)が症状で、エックス線では舟状骨の扁平化・硬化像を示す。予後は良好で、多くは荷重の調整と足底挿板などの保存療法で1〜2年のうちに再骨化し、形態も回復する。同じ「ケーラー」の名で第2中足骨頭に起こるものをフライバーグ病(第2ケーラー病)と呼ぶことがあり、こちらは10代の女子に多く変形を残しやすい。混同しやすいので区別しておきたい。

✓ 3. 正しい
ケーラー(Kohler)病
足の舟状骨の無腐性壊死。3〜7歳の男児に多く、足内側部の痛み・圧痛と跛行を示す。内側縦アーチの要で荷重が集中し、骨化開始が遅い部位であることが背景にある。荷重を調整すれば自然に修復され、予後は良好。
✗ 1. 誤り
セーバー(Sever)病
踵骨骨端症。10歳前後の活動性の高い児で、アキレス腱の牽引と接地衝撃が踵骨骨端核に繰り返し加わって生じる。踵の後方の痛みで、つま先歩きになる。舟状骨ではない。
✗ 2. 誤り
ブラント(Blount) 病
脛骨近位内側の骨端・骨幹端の発育障害で、内側の成長が抑えられて内反膝(O脚)が進行する。壊死ではなく成長軟骨板の発育障害であり、部位も膝で、足部ではない。
✗ 4. 誤り
ペルテス(Perthes) 病
大腿骨頭の阻血性壊死。4〜8歳の男児に多く、股関節痛のほか膝や大腿の痛みを主訴とすることがあり、跛行と股関節外転・内旋制限を示す。無腐性壊死ではあるが部位が違う。
ポイント
  • ケーラー病=足の舟状骨(3〜7歳男児、内側縦アーチの要、予後良好)
  • セーバー病=踵骨骨端症(10歳前後、アキレス腱の牽引+接地衝撃)
  • ペルテス病=大腿骨頭の阻血性壊死(4〜8歳男児、膝痛で受診することがある)
  • ブラント病=脛骨近位内側の発育障害による内反膝。壊死ではない
  • 第2中足骨頭はフライバーグ病(第2ケーラー病)。10代女子に多く、名前が近いので区別する
  • 小児が跛行や部位のはっきりした痛みを訴えたら、スポーツ量を調整しつつエックス線評価のため医科へつなぐ
比較表
疾患名部位好発年齢・性特徴
ケーラー病足の舟状骨3〜7歳・男児足内側部痛、跛行。予後良好
フライバーグ病(第2ケーラー病)第2中足骨頭10代・女子前足部痛。変形を残しやすい
セーバー病踵骨骨端10歳前後踵後方部痛、つま先歩き
ペルテス病大腿骨頭4〜8歳・男児跛行、外転・内旋制限、膝痛で受診も
キーンベック病手の月状骨青壮年・男性手関節痛、握力低下(成人の無腐性壊死)
オスグッド・シュラッター病脛骨粗面10〜15歳膝蓋腱の牽引による骨突起症
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